【ホンダ アコードHV 試乗】199psながら驚愕の低燃費…河村康彦

試乗記 国産車
ホンダ アコード ハイブリッド
ホンダ アコード ハイブリッド 全 18 枚 拡大写真

兎にも角にも凄いのは、「30km/リッター」という燃費データ。辛く見積もって「実燃費はその6割ほど」と計算してもそれは、18km/リッター相当だから、199psというシステム出力の持ち主としては、まさに“驚愕の低燃費”だ。

まだナンバー取得前の“プロトタイプ”と称されるモデルを、ツインリンクもてぎの構内で軽くテストドライブした限りでは、そんな素晴らしい燃費の実現のために、最高143psを発する2リッター・エンジンと同じく124kW(169ps)を発揮する駆動用モーターが、常に綿密に連携をとりあっているのを実感。街乗り程度ならばほぼエンジンの始動なくスタートが可能となりそうだが、アクセルペダルを踏み加えると滑らかにエンジンスタート。その回転力が“第二のモーター”を駆動してバッテリーからの持ち出し分に電力を上乗せし、シリーズ・ハイブリッド車として“第一のモーター”駆動による走行を続けて行く。

ユニークなのは、高速道路走行時などエンジンを効率良く使える領域に限って、その回転力を直接前輪に伝えるモードを備えている事。「トランスミッションを介さない分、効率に優れる」というが、直線の短い限られた設定ルート内で頑張って(?)そのモードを試してみると、なるほど“アクセルと車輪の直結感”はなかなか気分の良いものだった。

かくして、ホンダらしい“エンジン屋魂”が実感出来る気合いのパワーパックが誕生したのは嬉しい限りだが、何とも惜しいのはそれを搭載する『アコード』というモデルそのものに、サイズ的にもデザイン的にも「アメリカに向けて作ったものを流用」という雰囲気が溢れ出ている事。思えば、1976年に生まれた初代アコードというのは、当時の日本車の世界に大インパクトを与えたエポックメーカーだった。願わくば、昨今の海外市場での大儲けを“元手”にして、母国である日本で改めてそんな感動が味わえるハイブリッド・モデルを作って貰いたい!

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★

河村康彦
1960年生まれ。自動車専門誌編集部員を経て、1985年よりフリーランス活動を開始。現所有車はポルシェ・ケイマンS、スマート・フォーツー、VWルポGTI(ドイツ置き去り…)

《河村康彦》

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