JR東日本新潟支社は6月26日、新潟~酒田・秋田間で運転している特急「いなほ」の車両について、現行の485系をE653系に置き換えると発表した。秋頃から一部の列車に投入し、順次拡大する。
E653系は同社の特急形電車として、1997年から2005年まで72両(7両編成8本、4両編成4本)が製造された。全車が常磐線の特急「フレッシュひたち」で運用されていたが、2012年から新型のE657系への置き換えが始まり、3月のダイヤ改正で「フレッシュひたち」での定期運用を終了した。このため、E653系の一部車両を改造のうえ「いなほ」に投入し、旧国鉄の特急形電車である485系を置き換えることにした。
「いなほ」に投入されるE653系は56両(7両編成8本)で、改造により1000番台となる。1編成の座席数は428席で、内訳はグリーン車18席、普通席410席。現行車両の485系6両編成に比べ、グリーン席は2席、普通席は44席増える。
車体の塗装は「フレッシュひたち」運用時と異なり、新潟と庄内の特徴をイメージしたデザインに変更する。「日本海沿岸部の美しい夕日をモチーフに、夕日と波、夕日が沈む日本海に映り込む空の色合いを、緩やかな曲線と色彩で表し」たという。
1号車のグリーン車は窓枠に合わせた広いシートピッチとし、海側2席、山側1席の大型リクライニングシートを設ける。各席の前後にはパーティションを設けてプライベート空間を確保する。ラウンジスペースも設け、海側は窓向き、山側は対面タイプとする。