高速道路料金について、オートバイの車種区分を新設すべきという声が高まっている。元文科相の小坂憲次参議院議員(67)は、二段階見直し論展開する。
「ETCが付いたオートバイの場合、とりあえず軽自動車の半額で課金。それだったら車載器を付けようかというインセンティブになる」
オートバイの通行料金は、首都高速や阪神高速では5トン未満のトラックと同額、NEXCO系では軽自動車と同額。この車種区分はそのままに、割引を実施するというものだ。
「まずはETC車載器を搭載するユーザーに対する割引を実施し、ETC利用を促進する。そして、今後、高速道路全体を見直す中で、オートバイ車種区分を設定すればいい」
しかし、国土交通省高速道路課の担当者は、財源確保と事業者の減収懸念という2つの側面から難色を示す。
「これまでは道路特定財源で手当てすることもできたが今、国で割引を実施することになると、予算要求する必要がある。また、割引で減収することはない」と及び腰だ。
これに対して小坂氏は、こう反論する。
「オートバイのETC車載器搭載搭載率は低い。料金を半額にしても2倍に搭載が増えれば、現状維持ということになる。なおかつ、オートバイの利用頻度が現状より上がれば、道路事業者は増収になる、という理論構成はあると思う」
ETC車載器の搭載率は普通乗用車で87.8%だが、オートバイではたった11.2%でしかない。この背景として、四輪車の車載器が1万円前後で取り付けまでできるのに対して、オートバイは車載器単体でも3万円前後、取付け料金を含めると4万5000円ほど必要になる。割引も、四輪車と同率ということもあって、割高感がぬぐえない。
小坂氏の持論は、この両方の懸念を払拭し、すべての車種でETC利用を促進しようとするものだ。小坂氏は元文部科学大臣で、排気量250ccのオートバイを愛用するライダーだ。同氏はまた、自民党オートバイ議員連盟の副会長を務めている。