ルノーと日産のアライアンス効果、共同購買が大きく寄与して2012年は約27億ユーロに

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ルノー・日産アライアンスは、アライアンスのシナジーが前年の17億5000万ユーロから2012年は26億9000万ユーロになったと発表した。

前年比54%となったシナジーは、主にコスト削減の効果に加え、両社が今後市場を拡大していく新興市場で増加した。

ルノーと日産は、ブラジル、ロシア、インド、中国などの新興市場などで連携を深め、シナジー効果を創出している。

2012年のシナジー貢献度をビジネスユニットごとに見ると、トップは購買で8億5100万ユーロ、次いでパワートレインの7億0900万ユーロ、車両エンジニアリングの5億4600万ユーロとなっている。これらの多くは、アジアやロシアなどの新興市場で、同じ工場で両社の車両とパワートレインを製造したことにより創出された。

インドのチェンナイにあるアライアンス工場は、アライアンス最大のプラットホーム共有プロジェクトとなる。年間40万台の生産能力を持つ工場は、ルノーと日産双方の現地市場向け車両と輸出向け車両を製造している。

ロシアでは、ロシア最大の自動車メーカーであるアフトワズとともに、トリアッティ工場で3社のブランドの車両を生産している。昨年ルノー・日産アライアンスは国営ロシア・テクノロジーとの合弁会社を通じて、ロシアを象徴する「ラダ」ブランドの主要メーカーとなった。

韓国では、2014年に日産は、ルノー三星自動車の釜山工場で、次期型「ローグ」の生産を開始する。昨年アライアンスは、SUVの生産開始に向けての製造工程で大幅なコスト削減を達成した。この改善は、日産「ローグ」に加え、同工場で生産するルノー車にも利益をもたらすことになる。

2009年以来、アライアンスのすべての購買は、アライアンス組織であるルノー・日産・パーチェシング・オーガニゼーション(RNPO)によって行われている。ルノー・日産アライアンスの販売台数が年間800万台となったことで、RNPOは、両社が個別に行うよりもより強い価格交渉を持っている。

パワートレインのシナジーは、エンジンとギアボックスの共同開発や総合供給により創出している。ルノーのディーゼルエンジン技術とガソリンエンジンのダウンサイズ、マニュアルトランスミッション、日産の自然吸気ガソリンエンジンとオートマティックトランミッションなど、それぞれが強みとしてきた中核技術を相互活用している。

2012年にアライアンスは、更にシナジーを追求するため、プラットホームと部品両方を統合する、コモン・モジュール・ファミリー(CMF)という新たなアプローチを開始した。CMFは、ルノーと日産が車両技術の分野で、より一層連携し、将来のシナジー創出に向けて大きく貢献することを期待する。

CMFは2013年から2020年までの間に、段階的にルノーと日産のモデルに適用する。CMFは、まずコンパクトと大型車のセグメントで、続いて他のセグメントに適用していく。

CMFにより、モデルごとのエントリーコストの平均30~40%、アライアンスの部品購入費の20~30%の削減を見込んでいる。

このほか、将来は販売やマーケティングなどの分野においても、シナジー増大に貢献できると見ている。

《レスポンス編集部》

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