【HV U-Car最前線】流通急増のハイブリッドU-Car、その背景と魅力とは

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2代目プリウスの燃費推移
2代目プリウスの燃費推移 全 7 枚 拡大写真

2009年から2010年にかけてのエコカー減税・補助金の恩恵で大量に販売されたハイブリッドカー(HV)。2009年に相次いで登場した3代目トヨタ『プリウス』、ホンダの2代目『インサイト』がそのハイブリッドカーブームの立役者であることは間違いない。

◆2009年以降に急激に伸びたハイブリッドカー販売

新車販売統計を見てみると、たとえばプリウスは2代目が販売されていた2007年はおよそ6万台、2008年でおよそ7.3万台だったのに、2009年にはいきなり20.9万台に急増。そして2010年に至っては31.6万台という驚異的な販売台数を記録した。インサイトもプリウスの陰に隠れた形ではあるが2009年に9万台超を売り上げている。2010年以降はプリウスの独走を許してしまったものの、主力車種の『フィット』にハイブリッドモデルが加わりこちらが大きく売り上げを伸ばしている。

2013年は、プリウスの販売台数が急激に伸びた2010年に納車された車両が車検を迎える時期でもある。これにともない、中古車(U-Car)市場におけるハイブリッドカーの流通も急激に増えつつある。

トヨタの公式中古車検索サイト「Gazoo U-Car」では、2009年式以降に限ってもプリウス(プリウスαを除く)の在庫がなんと約2300台もある。また、ホンダの公式中古車検索サイト「オープンテラス」では、インサイトがおよそ280台、フィットハイブリッドはおよそ480台の在庫を確認できた。ハイブリッドカーのU-Carの選択肢はますます充実している(在庫はいずれも6月末現在)。

◆ディーラーでメンテされた個体なら燃費性能も新車に遜色なし

このように、在庫が充実してきたハイブリッド U-Carだが、通常のガソリンエンジン車よりも複雑な機構を持つハイブリッドだけに、U-Carとして購入することに対して不安を抱く人も多いのではないだろうか。

“年式を経るにつれてハイブリッドカーの燃費の性能は劣化するか”という問題について、興味深いデータがあるので紹介しよう。

60万人の会員を持つ燃費投稿サイト「e燃費」で抽出した2代目プリウス・3代目プリウス・インサイトの燃費推移のデータがある。この統計を見てみると、季節変動こそそれなりにあるものの、経年による燃費の悪化はほとんど見られない(むしろ良化の傾向にある)ことがわかる。

もちろんこのデータはあくまでも参考であり、ドライバーの“慣れ”によるエコドライブの技量向上といった要素も考えねばならい要素だが、このデータを見る限り多少年式を経たとしてもハイブリッドカーの燃費優位性は持続されると考えても良さそうだ。この上に、同じ予算でもひとつ車格上の車選びが可能になるU-Carの価格的な魅力が加わるのだから、ハイブリッドU-Carは選択肢として非常に“おいしい”存在であると言えそうだ。

とはいえ、ハイブリッドカーであっても、通常のガソリン車であっても性能維持のためにはきちんと整備・点検がされていることが最低条件だ。

とくにハイブリッドカーは、バッテリーやモーター、PCU(パワーコントロールユニット)や動力分割機構という独自のメカニズムを持つ。これらは一般的な整備業者では容易に扱えない部分で、必然的にディーラーでの点検整備が基本になる。ハイブリッドU-Carは、ディーラーでの整備がきちんとなされてきた、素性や履歴が確かなタマが多いことも選びやすい理由の1つだ。逆に、ハイブリッドU-Car選びの際には、ディーラーでメンテを受けてきたどうかという点は、ひとつ重要なチェックポイントとなるだろう。

今回の特集「HV U-Car最前線」では、販売店や整備所工場の取材、また関係者のインタビューを通じて、ハイブリッドU-Carの魅力と、車選びに際してのチェックポイントなどを解説していこう。

《レスポンス編集部》

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