【インタビュー】ホンダカーズ福島 齋藤社長「福祉対応店舗はマストアイテム」

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オレンジディーラーマスター店のホンダカーズ福島矢野目店
オレンジディーラーマスター店のホンダカーズ福島矢野目店 全 12 枚 拡大写真

ホンダカーズ福島は、13か所ある新車拠点すべてが、ホンダが展開する福祉店舗「オレンジディーラー」に認定されている。齋藤庄司社長は福祉対応の店舗は今後必須になると語り、5年かけて全店舗が最上級の格付けを満たす設備を整えるとしている。

---:ホンダカーズ福島では、13ある新車拠点すべて、ホンダが認定する福祉店舗「オレンジディーラー」になっていますね。

齋藤社長(以下:敬称略):福島県はどんどん高齢化が進んでいるし、体が不自由な方も増えています。車いすのお客様や体が不自由な方が止められる駐車スペース、車いすのまま入れるトイレなど店舗もきちんとしておかないと対応できない。これからの長いお付き合いのための環境整備も行なう。福祉店舗はマストアイテムになってくると思っています。

---:とはいえ福祉車両そのものは、それほど多くの販売が見込めないのでは。

齋藤:確かにそうですが、ホンダカーズ福島では5月から独自に『N BOX+』の車いす仕様車のテレビコマーシャルを流すことで、問い合わせが最近非常に多くなっています。というのも、福祉車両の価格がいくらとか、どういう手続きで買えばいいのかなど、全然わからないという方が大半。だから福祉車両は告知していかないと、お客さんはわからないし、増えていかない。以前はTVCMで新車を宣伝していましたが、今は福祉車両の方を訴求しています。

---:そのTVCMはどのような内容になっていますか。

齋藤:価格を重点的にアピールしています。使い勝手が良くて便利、しかもお値段は安い、是非、足を運んでみてくださいという内容です。

---:N BOX+車いす仕様車の販売実績はどうですか。

齋藤:発売当初は全拠点で月1~2台程度でしたが、今は月10台。N BOXシリーズ全体で月100~120台を販売しているので、TVCM効果で8~10%の比率になっています。

---:どのような方が購入されていますか。

齋藤:ほとんどが個人です。ご家族に身体の不自由な方がいて、介護されている方々。女性でも車いすの方を車両に乗せて、買い物に行けるという点が喜ばれています。

個人で介護事業をされている方にも低価格で買えるということをダイレクトメールや営業スタッフが訴求をしています。TVCMや店舗の方は個人向けなので、この2つのやり方で進めていますね。

---:TVCM以外にも福祉車両の訴求は行われていますか。

齋藤:ショッピングモールに福祉車両だけを展示するイベントを開催しています。もうひとつは、今、N BOX+車いす仕様車の貸し出しを6月から始めていて、買う前に試してみたいとか、買えないけどどうしても移動に使いたいとう時に、保険代込みで2日間5000円で貸し出しています。今は既納客、5万8000人に案内を出して、使って頂けるよう全拠点に1台ずつ配備しています。

お客様の中には、使わなくなった時のリスクを心配される方もおられる。また1年程度の短期間だけ使いたいという要望も多い。そこで1年リースの商品を組めれば需要としては相当あると考え、中古車の再リースを含めて検討を始めています。

---:ホンダのオレンジディーラーは設備などの認定要件に応じて、最上級のマスター店から、ベスト店、グッド店まで3段階に格付けされていますが、13拠点の内訳はどうなってますか。

齋藤:全13店舗のうちマスター店1、ベスト店が5、グッド店が7。最終的には全店舗をマスター店にしたいです。

---:全店舗がマスター店になるにはどれくらいの期間がかかりそうですか。

齋藤:全4タイプの福祉車両の常設展示を始め、バリアフリートイレの設置、介助士資格者2名以上などの条件を満たす必要があり、なかでも玄関やトイレなど店舗のバリアフリー化は相当な改装が必要になります。このため古くなった店舗で、建て替えが必要になった機会をとらえてマスター店になれる設備をすべて備えるという形にしていこうと考えています。今後5年くらいかけてすべての店舗をマスター店にしていきます。

《小松哲也》

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