トヨタ紡織、自動車シートのデザインコンペで特別賞…自ら提案できる機会を

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トヨタ紡織は、化学会社BASFが主催する自動車シートのグローバルデザインコンペ、“sit down.move.”で特別賞“素材活用度”を受賞した。

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受賞した作品はトヨタ紡織のデザイナー、クリスチャン・デリース氏デザインの『アプタス』だ。トヨタ紡織F-クリエイト部繊維技術部大島誠氏は、コンペに応募した理由について、「プロダクションレベルの仕事の負荷が高く、若手のメンバーがなかなかアドバンスしたシートのプロジェクトに取り組めないというジレンマがありました。トップからも社外コンペに応募したらどうだという示唆もあったのです」とし、「モチベーションを高めるためと、常に同じクライアントとのビジネスではなく、自分から造形やシートシステムについて提案できる機会を持ちたいということから応募に至りました」という。

受賞作品アプタスをデザインしたデリース氏は、「アプタス、Adapts to All。様々な人を観察すると、全ての人の体格は違うことに気付きます。アプタスの最大の特徴はひとつのシートで全ての体格のユーザーに快適性を提供することです」とその特徴を語る。コンセプトワードは3つあり、“Calculated(数値化)”、“Natural Motion(自然な動き)”、“Structure(構造)”だ。

デリース氏は人の体格はサイズと体重が比例することに注目。体重が重ければ重い程、求められるシートのサイズが大きくなることから、最初のキーワード“Calculated(数値化)”を着想した。シートのサイドサポートに位置する羽根状のボルスターが、体重の軽い人は閉じ、重い人は開くことで、体格ごとのホールド性を高めている。

“Natural Motion(自然な動き)”は“Calculated(数値化)”から導かれた。「軽い乗員はアップライトの姿勢を取ることが出来き、より重い乗員に対してはワンモーションでリクライニングして適正なヒップポイントをカバーします」とデリース氏。

3つめのキーワード“Structure(構造)”は、BASFの先進技術から成り立っているとデリース氏。一例として羽根状ボルスターを挙げ、「ETPUポリウレタンを採用することで、衝撃吸収と、形状維持を両立しています」と述べた。

大島氏は想定されているクルマについて、シティビークルだという。「軽量であることと、コンパクトなボディでありながら広い室内空間を得られるという(クルマの)コンセプトに合致するものではないかと考えています」とした。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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