中国電動バイクはなぜベトナムで失敗したか…テラモーターズのアジア戦略

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ベトナムでは中国製電動バイク市場が激減
ベトナムでは中国製電動バイク市場が激減 全 8 枚 拡大写真

電動バイクというと中国やアジアでの普及が進んでいると言われている。事実、中国では2005年以降、電動バイクの台数がガソリンバイクを上回っているという。そして、中国製の電動バイクはアジア各国にも輸出されている。

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ベトナムでは、2007年、2008年と、安価な中国製電動バイクが大量に輸入され、2008年に12万台と急激にシェアを伸ばしたが、2009年に1万台以下と激減している。その理由は、中国製バイクの品質とメンテナンスなどサポート体制が悪く利用者にそっぽを向かれたからだという。そのため、低価格だったことがブランディングに悪影響を与え、競争優位性につながらなかったためと分析されている。

テラモーターズは、この12月にA4000iというスマートフォン連携する電動バイクを日本市場に投入する予定だが、その後はアジアを中心に海外展開も考えているという。しかし、このバイクは日本市場での予定価格が45万円(税込:充電器付き)と決して安くない。アジアモデルも同レベルの価格を目指しているという。同社の代表取締役 徳重徹氏は、ベトナムの事例から、アジアでの電動バイク戦略は低価格よりもブランディングや付加価値提供を重視するとした。

そのため、アジア市場でもターゲットは裕福層など全体の5%程度の層から狙っていく。ベトナムでも3~5%の人は3000ドル、5000ドルの輸入バイクを買っているそうだ。価格が多少高くても、日本製のブランドや品質・サポートに価値を見いだせる層に確実に訴求していく戦略だ。アジア市場でも日本のバイクは、耐久性を評価されていたり、デザインなどから若者のステータスシンボルにもなっている。ここに、環境にやさしいEV、スマートフォンと連携し各種の先進サービスを受けられるというさらなる付加価値をつけるという。

アジアのバイク市場が全世界で占める割合は80%ともいわれている。バイク大国が多い地域だが、反面排気ガスや環境汚染が大きな社会問題となっている。また、ガソリン価格の高騰も問題であり、新興国などは経済発展とともに原油やガソリンの輸入増大が財政赤字の要因ともなっている。これらの問題解決に電動バイクは有効なソリューションとなるため、アジアにおける電動バイク市場の可能性は高いといえる。

そのアジア市場の中で、同社が最初に見ているのはどの国か。この問いに対して徳重氏は、「まずはベトナム。そしてフィリピンと台湾もA4000iにとって有望な市場と見ています。」と答えた。中国は、安価であれば壊れてもかまわないという市場であるため、テラモーターズの戦略では対象外になるとのことだ。

また、現状で対応しているスマートフォンはiPhoneのみだが、ニーズがあればAndroid対応も考えるとした。スマートフォンのシェアを考えるとアジアではAndroid対応は必須と思えるが、上位5%前後の市場を狙うA4000iとしてはまずはiPhoneのみの対応で十分ということだろう。

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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