【日野 安全技術説明会】省燃費運転講習、発進とアクセル開度改善で燃費2割向上

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日野安全技術説明会
日野安全技術説明会 全 6 枚 拡大写真

日野自動車の安全技術説明会が開かれたのは羽村工場の施設内にあるお客様テクニカルセンター。ここは日野自動車の商用車を利用しているユーザーをサポートする拠点だ。

VDCやPCSなどの先進安全装備を搭載した最新トラック・バスの試乗説明会のほか、省燃費運転についての講習会も実施している。今回の説明会ではそのデモンストレーションも同時に行なわれた。

温室効果ガスを低減させるために、輸送業者は改正省エネ法により省燃費に向けて努力することが定められている。トラックの保有台数200台以上の特定輸送業者には、エネルギー節減の計画書や実績報告書を年に1度提出することが義務付けられているのだ。報告義務を怠って勧告や命令に従わない場合、最終的には罰金100万円が課せられるというから、なかなか厳しい法律である。

お客様テクニカルセンターでは、そんな法令に対応するだけでなく燃料費の削減による経費節約を促す意味でも、省燃費講習会を行なっている。これは新型車や先進技術の試乗会と同様、日野のディーラーマンを通じて、希望する輸送業者が申し込んで参加するそうだ。

講習では、まず普段通りの運転をしてもらい、そのクセや燃費に関わるデータを収集。そして座学で省燃費運転の知識を学んでもらい、実際に省燃費運転をしてみることで、どれくらい燃費が向上するか実感してもらうと言う。今回の取材では、お客様センターの指導員による運転ではあったものの、路線バスを使って通常走行と省燃費走行の違いを同乗体験させてもらった。

まず通常走行では普通に2速で発進して加速、上り坂では90%までアクセルを踏み込んで走っていく。その体感は、慣れ親しんだ路線バスの走行感覚そのものだった。

次に省燃費運転として同じ2速でもアイドリングで発進、エンジンの回転数を1500rpm以下、アクセル開度は50%以下に制限して走行。直線路や下り坂ではかなり早めにアクセルを閉じて惰性走行を多用していた。その結果、加速感はマイルドに感じたものの上り坂では失速したり苦しそうに登る感じはなかった。全体的にメリハリは少なく感じたが、遅いという印象はない。

気になる結果だが、通常走行で4.13km/L、省燃費走行では4.91km/Lと、実に18.9%も燃費が向上したのである。しかもコースを2周する所要時間は通常走行、省燃費走行ともまったく同じ。加速感はマイルドでも、速さは変わらなかったのである。これを実行できれば単純計算では年間10万km走行する商用車の場合、1台あたりの燃料代の差は46万円以上、50台保有している企業では2000万円以上も燃料代が節約できることになる。

先進技術の導入もあり安全講習の比率が高まっているものの、未だ省燃費講習会の需要は高く、昨年度も426件中、実に半数の講習会が省燃費だったと言う。法令遵守、そして経費節減の両面からも効果が大きい講習だけに、今後も高い需要を維持していきそうだ。

《高根英幸》

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