【フィット プロトタイプ 試乗】クルマの楽しさに目覚めるハイブリッド…森口将之

試乗記 国産車
ホンダ フィットハイブリッド(プロトタイプ)
ホンダ フィットハイブリッド(プロトタイプ) 全 30 枚 拡大写真

ハイブリッドカーは楽しくないという定説を、次期フィットは打破するかもしれない。価格が何倍もする輸入ハイブリッドカーと比べても、いい勝負しそう。

1.5Lエンジンはアトキンソンサイクルとは思えぬほど心地いい音を奏でるし、なによりもDCT(デュアルクラッチトランスミッション)が効いている。快音を刻みながら力強くダッシュしていくそれは、DCTを装備した欧州製ハッチバックにモーターを追加したような感触。

もちろん電動走行や回生ブレーキもこなすけれど、それらをきっちり押さえた上でこの高揚感。ホンダの本気を感じた。

デザインも頑張ったと思う。フィットらしさを抑えつつ、未来的な顔や勢いのあるボディサイド、凝ったリアコンビランプなどを取り入れて、ぐっとホンダっぽくなった。インテリアはそれに比べると今一歩だけれど、カタチでフィットを選ぶ人が多くなるはず。

ここまでハイブリッドがいいと、ガソリン車は分が悪い。というか、ハイブリッド一本でいいのでは?と思ってしまうほど。燃費に惹かれて買ったユーザーが、クルマの楽しさに目覚める。そんな可能性さえ秘めた、ホンダ入魂の1台だった。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性: ★★★★
パワーソース: ★★★★★
フットワーク: ★★★★
オススメ度: ★★★★★

森口将之|モータージャーナリスト&モビリティジャーナリスト
1962年東京都生まれ。自動車専門誌の編集部を経て1993年に独立。雑誌、インターネット、ラジオなどで活動。ヨーロッパ車、なかでもフランス車を得意とし、カテゴリーではコンパクトカーや商用車など生活に根づいた車種を好む。趣味の乗り物である旧車の解説や試乗も多く担当する。また自動車以外の交通事情やまちづくりなども精力的に取材。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。グッドデザイン賞審査委員。

《森口将之》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「ベントレー史上最大のデザイン革命」初のコンセプトEVは、全長5m超えの3名乗りクーペ
  2. もしも「タイプ992」が初代911をオマージュした世界線だったら…? ウクライナのデザイナーが再解釈
  3. 「鈴鹿8耐」最注目のヤマハ車は完全新作の『YZF-R9』! 150万円を切るなら「ブレイクの予感」しかない
  4. バイクの外観を損ねない!超強力マグネットのスマホホルダー「フリークマウント2.0」に新色5色
  5. まさに水上のスポーツカー!ブラバスの「電動ジェットボード」登場、世界77台限定で340万円
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  4. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  5. 湘南から走り出した車、フェアレディZやエルグランド…日産車体が量産終了へ
ランキングをもっと見る