【フィット プロトタイプ】デュアルクラッチ変速機+ハイブリッドでも価格は現行モデル並みか

自動車 ニューモデル 新型車
ホンダ フィットHV・RS(プロトタイプ)
ホンダ フィットHV・RS(プロトタイプ) 全 30 枚 拡大写真

ホンダが9月に投入する3代目『フィット』。フラッグシップはJC08モード走行の燃費が36.4km/リットルと、目下量産車トップのエコ性能となる見通しのハイブリッドモデルだろう。

現行モデルから一気に10km/リットルもの燃費向上を果たすべく、新ハイブリッド変速機「i-DCD」、リチウムイオン電池パック、減速エネルギー回生の量を増やすための「電動サーボブレーキ」、新開発の1.5リットルミラーサイクルエンジンなど、新世代技術をこれでもかと投入している。少なからず価格も上昇するのは避けられないかと思いきや、「車両価格は旧型並みを予定している」(本田技術研究所関係者)という。

そこで新パワートレインのカットモデルをよく見てみると、新機軸が詰め込まれる一方で、コストをかなり意識した設計であることに気付かされる。たとえば現行『CR-Z』比で約5割増しとなる最高出力22kWの薄型電気モーターは、6月に30km/リットルという燃費性能を引っさげて登場した上位車種『アコードハイブリッド』と異なり、現行IMAと同じく角型銅線を使った低コストの集中巻き方式。またホンダ初のデュアルクラッチ変速機も、同クラスのCVTより若干ながら軽く作られているという。こちらも他のコンパクト系モデルに展開され、量産が進めばより安価に作ることが可能となるだろう。

現行フィットハイブリッドのスターティングプライスは159万円。多少値上がりがあったとしても、次期フィットハイブリッドの価格は160万円台前半か。

ホンダの新世代ハイブリッド戦略モデル第1弾のアコードは、同クラスの『カムリハイブリッド』に対して燃費が約3割向上と、トヨタと真正面から性能勝負を仕掛けるモデルだった。それに対して次期フィットハイブリッドは、トヨタのハイブリッドコンパクトカー『アクア』とほぼ同等の燃費でありながら価格は安いというコストパフォーマンスの高さが売りだ。果たして発売価格はいくらくらいなのか。9月のデビューが楽しみだ。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
  2. メルセデスベンツの主力SUV『GLC』、新型を9月に世界初公開へ
  3. 三菱『パジェロ』7年ぶり日本復活か!? 日産 パトロール 派生モデルの可能性も
  4. カワサキ『Ninja ZX-25RR』を日本初導入、価格は105万2700円 スタンダード版「25R」は廃止
  5. 待望の新型スズキ『GSX-R1000R』が予告なしの初公開!「3色3様」往年のレーシングカラーで日本市場復活へ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. 湘南から走り出した車、フェアレディZやエルグランド…日産車体が量産終了へ
ランキングをもっと見る