【アウディS7スポーツバック試乗】流麗なクーペスタイルと“S”の豪快な走り…松下宏

試乗記 輸入車
S7スポーツバック
S7スポーツバック 全 16 枚 拡大写真

アウディのA7スポーツバックをベースにした『S7 スポーツバック』は、5ドアボディにV型8気筒4.0リッターのツインターボ仕様エンジンを搭載するスポーツモデルだ。

【画像全16枚】

流麗な外観デザインは5ドアハッチバック車というよりも4ドアクーペを思わせる。アウディらしくインテリア回りのクォリティの高さは印象的で、S7スポーツバックには専用のトリムやカーボンアトラスのデコラティブパネルが採用され、質感だけでなくスポーティな雰囲気が演出されている。

ボディはかなり大きい。全長が4990mm、全幅が1910mmというのは半端ではない。クーペ風のデザインなので全高こそ1420mmと低めに抑えられているが、最小回転半径が5.7mになるなど、日本では使い勝手にも響くサイズである。

その分だけラゲッジスペースの容量は大きい。大きく開く後部のハッチバックドアを開け、後席の背もたれを倒し、助手席の背もたれまで倒せば、長尺物でもかさばる荷物でも何でも積める感じの広さがある。

搭載エンジンは309kW/550N・mのパワー&トルクを発生する。309kWの最高出力を発生する回転数は5500回転から6400回転と高めだが、550N・mの最大トルクはわずか1500回転から5200回転までの幅広い回転数域で維持される。文字通りフラットなトルク特性だ。

発進加速はスムーズかつ速い。センターデフ式のフルタイム4WD車であることに加え、試乗車にはサンルーフが装着されていたこともあって、車両重量はけっこう重くて2090kgに達していた。そのスーパーヘビー級のボディをぐいぐい押し出していくだけの動力性能を持つ。

このエンジンにはシリンダー・オンデマンドという気筒休止システムが採用されていて、クルージング状態などのときには4気筒が休止して4気筒車として走っている。でもこの切り替えは運転していても全く分からない。最新のノイズキャンセル機構やアクティブ・エンジンマウントを採用することで、切り替えを感じさせない走りだ。

パワフルなエンジンを搭載した高性能車であるからこそ、燃費にも配慮した仕様を備える。これが最近のヨーロッパ車の傾向である。

ベースのA7スポーツバックが900万円級のクルマなので、A7スポーツバックの価格は1200万円を超える。どんな人がどんな選び方をするのかが見えにくいクルマでもある。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

【注目の記事】[PR]

レスポンス公式TikTok

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 日産株価が3日続伸、SUV『パトロール』を日本市場に投入へ
  2. ソニー・ホンダ『AFEELA』にデジタルナンバープレート設定へ…背景色の変更やフォント調整が可能に
  3. マツダ CX-5 新型、最高評価の5つ星獲得…ユーロNCAP
  4. 「空調」がクルマを変える! カルソニックカンセイをルーツに持つ「ハイリマレリ」が巻き起こす“新風”…ジャパンモビリティショー2025PR
  5. キヤノン3社、ナノインプリント技術や先端パッケージング装置を展示へ…SEMICON Japan 2025
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る