【VW ザ・ビートル カブリオレ 試乗】空気の美味しさを実感しなくちゃ…岩貞るみこ

試乗記 輸入車
VW ザ・ビートル カブリオレ
VW ザ・ビートル カブリオレ 全 12 枚 拡大写真

正直言って、幌のオープンはかっこ悪いと思う。日焼けが気になるアラフィー女子にしてみれば、クローズのときの見栄えにはこだわりたいのだ。

唯一、例外があるとすれば、この『ザ・ビートル カブリオレ』だろう。

幌の「力の抜け具合」が逆になんとも心地いい。ただでさえ独自の世界観でゆるく美しく成立したデザインなのに、さらに屋根を開けたときの開放感は底知れない。乗っているだけで楽しく、おそらく間違いなく、見ている側も「楽しそうだなあ」と羨望の眼差しを隠しきれないことだろう。

ボディカラーと同じ色をあしらったインテリアは、見られている感をドライバーにうながして背筋が伸びる。そして走りがなんとも軽い。載せられたエンジンは、ダウンサイジングの1.2リットル+ターボ。

対するボディは、屋根がないぶんボディ剛性を保つべく、重量感が増している。にもかかわらず、なんだこの軽いスタートダッシュは? いつもながら、ゴルフをはじめとするVWのボディ剛性はすごいと思うけれど、このカブリオレにもその性能と成果はいかんなく発揮されていると思う。そして、わずか1.2リットルと、10年前なら鼻で笑われちゃいそうなサイズのエンジンでも、見事な乗り心地に仕立てられている。

そうだよね、オープンだもんね。空気の美味しさを実感しなくちゃだもんねと、燃費のよさ=排出ガスの少なさと、忘れかけていた方程式を思い出してみたりしている。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/エッセイスト
女性誌や一般誌を中心に活動。イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に精力的に取材中するほか、最近はノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。JAF理事。チャイルドシート指導員。国土交通省 安全基準検討会検討員他、委員を兼任。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「ミニGSX-R」をスズキがサプライズ発表!? 鈴鹿8耐マシン以上に「サステナブルかもしれない」理由とは
  2. トヨタの大型ピックアップトラックの逆輸入に期待? 新型発表に日本のファンも熱視線
  3. 車検NGの落とし穴!? シート交換で絶対に知っておくべき新ルール~カスタムHOW TO~
  4. “プチカスタム”でサマードライブの楽しさをブーストアップ![特選カーアクセサリー名鑑]
  5. 次期BMW『X5』の車内を激写! メーターパネル廃止、全く新しいパノラミックiDriveディスプレイを搭載
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
ランキングをもっと見る