JR西日本、新幹線脱線防止ガードの運搬車を導入…作業効率が従来の約4倍に

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逸脱防止ガード敷設運搬車の構成。モーターカー2両と搬送台車2両、敷設台車1両の合計5両で編成される。
逸脱防止ガード敷設運搬車の構成。モーターカー2両と搬送台車2両、敷設台車1両の合計5両で編成される。 全 1 枚 拡大写真

JR西日本は7月22日、地震発生時に新幹線の脱線を防止するための線路施設「逸脱防止ガード」の工事用運搬車「逸脱防止ガード敷設運搬車」を開発したと発表した。今年3月に導入し、4月から敷設運搬車を使った本格的な設置作業を開始している。

同社は新幹線の地震対策として、観測体制の強化や耐震補強工事などのほか、逸脱防止ガードの整備を進めてきた。2本のレールの内側にガードレールを設置するもので、地震の影響で車両が脱線しても車輪がガードレールに当たり、線路から大きく離れることがなくなる。同社は山陽新幹線新大阪~姫路間の約166kmのうち、トンネル区間などを除く約110kmについて、2015年度までに逸脱防止ガードを整備するとしている。

逸脱防止ガードはこれまで、夜間に敷設地点まで運んで手作業で敷設しており、1日あたりでは約120mしか敷設できなかった。こうしたことから同社は、約4億3000万円を投じて敷設運搬車を開発し、作業の効率化を図ることにした。

敷設運搬車は、逸脱防止ガードの材料などを搭載する搬送台車2両と、設置作業を行う敷設台車1両、これら3両をけん引する軌道モーターカー2両で編成を組んでいる。編成の長さは約70mで、ガードレールなどを満載した状態の重量は約137t。約500m分のガード材料を搭載することができる。

敷設運搬車を使った設置作業では、まずガードレールの敷設地点にガード材料を搭載した敷設運搬車を送り込む。敷設地点に到着後、搬送台車に搭載されているガード材料のなかから、敷設場所の状況に適合した材料を自動的に選び出し、電磁石を使って移動。続いてコンベヤーを使ってガード材料を敷設台車までスライドさせ、敷設場所に自動的に取り下ろす。

これにより設置作業の安全性向上や作業の効率化が図られ、1日あたりの敷設距離は約500mに拡大。作業効率は約4倍に向上したという。

《草町義和》

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