全日本空輸(ANA)は、パンナム・ホールディングスと、パンナム・インターナショナル・フライト・アカデミーを含むその子会社の全株式を買収することで合意した。
株式はアメリカン・キャピタルと同社の関連会社が運用する投資ファンド、その他パンナム株主から1億3950万USドル(約137億円)で取得する。
パンナムは、1980年にパンアメリカン航空のパイロット訓練部門として設立された。パンアメリカン航空の破綻後、独立系の訓練提供会社として事業を継続し、米国内航空会社からのパイロット訓練需要を取り込むのに加え、南米・アジアを含むグローバルでパイロット養成の需要が増加していることを背景に着実に成長を遂げてきた。
2012年には基礎訓練学校であるエアライン・キャリア・アカデミーを買収し、訓練業容を拡大してきた。
また、ANAグループは2011年にパンダ・フライト・アカデミーを設立し、パイロット訓練事業に参画しているが、パンダとパンナムはこれまでも販売面で業務提携を結んで良好な関係を構築してきた。
今回の株式取得により、高品質な訓練プログラムを提供するノウハウ、強固な事業プラットフォームを獲得することで、ANAグループのパイロット訓練事業を強化する。加えて、特にアジア市場で、今後飛躍的な増加が見込まれるパイロット養成需要を早期に取り込むことが可能となり、ANAグループの訓練事業のグローバル展開を加速化させる。
ANAグループは、2013年4月30日に発表した「2013-15年度ANAグループ中期経営戦略」で、昨年の公募増資で得た資金などを活用した、成長領域への戦略的投資を実施することを掲げている。今回のパンナムへの戦略的投資を通じて、ANAグループは航空関連ビジネスを拡大し、収益ドメインの多様化を推進する。