世界遺産登録に沸く山梨・富士吉田、「おもてな市」プロジェクト展開

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大勢の登山客でにぎわう登山道
大勢の登山客でにぎわう登山道 全 6 枚 拡大写真
 信仰の対象として富士山に登る「富士講」。「冨士浅間神社」サイトの説明によれば、その起源は非常に古く、仏教の伝来、修験道などの影響を受けた後、室町時代には庶民の間でも信仰登山が盛んになっていったという。

 しかし、江戸から吉田まで片道3日、吉田から頂上まで往復2日、合計8日間の旅と、日数と費用の負担も大きかった。そのため、庶民に信仰が広がるにつれて、お金を集め代表を選び皆の祈願を託す「講」の仕組みが、江戸時代までに広がっていった。やがて、道中の各所に宿坊ができ、特に拠点として便利であった、北口(富士吉田)に、宿舎の提供、教義の指導や祈祷、各種取次業務を行うなど、富士信仰の全般にわたって世話をする「御師(おし)」が出現したという(以上、「冨士浅間神社」サイトより)。

 富士山の名山としての評価は、その美しさはもちろんだが、こうした“信仰の対象”であったこと、その歴史的な経緯も背景にある。今回、それらが複合的に評価され、富士山が世界遺産に登録されたというわけだ。

 そんな富士山のお膝元・山梨県富士吉田市だが、富士講の登山者へ宿や食事などを昔から提供していた経緯もあり、「おもてなし」の文化が根づいているという。富士吉田市(ふじよしだ観光振興サービス)では、市のキャッチフレーズとして「おもてな市」を用いているとともに、世界文化遺産登録を記念して、観光客などに向けたキャンペーンを7月より実施中だ。

 このキャンペーンは、記念リストバンドを登山者にプレゼントするというもの。富士登山ルートの1つ「吉田口登山道」の標高約1100mにある「中ノ茶屋」で、特製の“おもてな市リストバンド”を限定配布する。このリストバンドを市内の対象スポットで見せると、「吉田のうどん」「ふじやまビール」が無料で味わえるほか、民俗博物館や温泉の入館料・入浴料が無料となる。さらに、一緒に渡される引換券で、「富士山世界遺産記念サイダー」がもらえるとのこと。リストバンドは“3776個“限定で、9月30日までの配布となる(なくなり次第終了)。

 富士吉田の「おもてなし」を実際に受けつつ、古くから続く歴史に思いをはせながら、富士山に登るのも楽しいだろう。吉田口登山道から登る人は、ぜひリストバンドを入手してほしい。

《冨岡晶@RBB TODAY》

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