【再生可能エネルギー世界展示会】 IHI、ターボの技術を活かした小規模発電装置を発売

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再生可能エネルギー世界展示会 IHIヒートリカバリー
再生可能エネルギー世界展示会 IHIヒートリカバリー 全 3 枚 拡大写真

IHIと言えば、かつてはF1マシン用のターボチャージャーも作っていた、遠心式コンプレッサーの権威とも言える企業。再生エネ展示会のIHIブースで巨大なターボを発見した。

これはバスやトラック用のターボより大きそうだ。足を付ければちょっとしたスツールになりそうなくらいの大きさはある。ちなみに一番大きなターボは大型船舶のディーゼルエンジン用で、排気管の太さは、人が入れるほどの口径になるのだそうだ。

ところで展示されていたのはターボではなく、熱膨張の大きい流体を利用して熱エネルギーを電気に換えるバイナリー発電装置用のタービン発電機。IHIでは、工場の廃熱など従来は捨てていた熱エネルギーを利用して発電する力に換える、この小型バイナリー発電装置「ヒートリカバリー」を8月8日から発売するそうだ。

バイナリー発電は、熱エネルギーによって沸点の低い媒体を気化させてその圧力でタービンを回し発電する。ガスを冷却し液化して再び熱源に送ることにより再度気化して圧力を得る、熱源との温度差を利用した発電装置だ。媒体には安全な代替えフロンの一種であるHFC-245faを使うと言う。70°以上の熱があれば発電は可能だというから、工場や焼却施設、温泉など色々なところに設置することができるのが強みだ。

ちなみにIHIが実証実験を行っている、海底と水面の温度差を利用した海洋温度差発電も、このバイナリー発電と仕組みは同じだ。

2012年に電気事業法が改正されたことによって、小型バイナリー発電装置の設置における規制が緩和されたため、導入はこれまでと比べて容易になったそうだ。20kWのヒートリカバリー1台で一般家庭なら48軒分の電力を供給できると言う。従来、適度な温度に調節していた温泉や工場排水から電力を作り出せるなら、これほど無駄のないエネルギー利用もない。EVの充電設備の発電装置として導入されるケースも出てきそうだ。

《高根英幸》

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