【GARMIN nuvi 2795 インプレ前編】スマホで目的地を設定できる新機能が魅力

自動車 テクノロジー カーナビ/カーオーディオ新製品
GARMIN nuvi 2795
GARMIN nuvi 2795 全 21 枚 拡大写真

PNDの定番ブランドであるGARMINのnuviシリーズに新モデル『nuvi 2795』が登場した。スマホとの連携という新たなコンセプトを採用したのをはじめ、ほかにも改良点は多数。かなり魅力的なモデルに仕上がっている。

◆スマホとの連携機能を新たに搭載

スマホのカーナビアプリの台頭でPNDは苦境に立たされているが、そんな状況でも積極的に新製品を投入するGARMINが投入したnuviシリーズの最新モデルがこの機種だ。目玉はスマホとの連携機能。もちろん従来からあるハンズフリー通話のことではなく、ナビ機能をさらに便利にするものだ。

その機能とは、スマホのGoogleマップで目的地を見つけたら、それを即座にnuvi 2795に転送できるというもの。もちろんBluetoothによるワイヤレス接続で、結論から言えば使い勝手は非常によい。情報の鮮度ではどうしてもスマホに勝てないのがスタンドアローンのPNDの宿命だが、このスマホ連携を使えば、目的地情報に関してはスマホの最新情報を使える。新規オープンのお店が探せないということもなくなるわけだ。

それ以外にも本機はいくつかの特筆すべき機能を搭載している。3年間の無料地図更新、ボイスコマンドによる操作、マップルの地図データと観光ガイドの採用などだ。カーナビはスマホで十分と思っている人でもちょっと詳細を確認したくなる、ちょっと気になるPNDといえる。

一連の注目機能は順次紹介するとして、まず本機の概要から紹介していこう。画面サイズは7インチで、nuviシリーズの「大きい方」のラインの最新モデルということになる。外観は余計なものが一切ない、いつものGARMIN流。物理的なスイッチは電源ボタンのみで、あとはマイクロSDカードスロットやワンセグアンテナがある程度だ。ただし、これまでの7インチモデルと同様に、本体を自立させる収納式のスタンドは備える。

ディスプレイは解像度800×480(ワイドVGA)のタッチスクリーンで従来モデルと同じ。本体サイズや重量、約2時間のバッテリー寿命、8GBの内蔵メモリ容量なども従来モデルとほぼ同一。ただし、細部は異なるのでまったく同じハードウエアを使いまわしているわけではない。

その他の付加機能としてワンセグテレビを搭載しているが、VICSによる渋滞表示機能は残念ながら省略された。従来のいくつかのモデルに採用されていたFMトランスミッター機能やリアカメラ接続機能も整理されており、新機能を多数追加しながら従来機能については必要な機能を厳選して低価格化に努めたことが伺える。

◆スマホのGoogleマップで目的地を検索し1タップで転送

実際に使いながら、各機能を紹介していこう。ナビを起動したら最初にやるのは目的地の設定。もちろん本機のメニューから一般的な操作で目的地を検索することもできるが、ここではもちろんアプリ連携機能を使ってみる。

まず準備から。スマホには専用のアプリ「Garmin Smartphone Link」をインストールする。そしてスマホと本機をBluetoothで接続すれば準備は完了だ。ここまでの準備は最初の1回だけやれば、あとは必要ない。なお、専用アプリはアンドロイド版のみがリリースされており、iOS版はない。つまり、スマホ連携機能はiPhoneでは使えないので注意したい。

専用アプリは起動させて独自の機能を使うこともできるが、インストールだけすればあとは忘れていても構わない。実際の目的地の検索はGoogleマップで行う。当然、通信による最新の情報から新しいスポットも検索できるわけだ。検索できたらルート検索の画面を表示。左下に「ルート」の文字、あるいは三角のアイコンが表示されるのでタップし、表示されるダイアログの「Garmin Smartphone Link」をタップする。つまり2タップだが、ダイアログの「以降は常に同じ操作をする」にチェックマークを入れておけば、以降は1タップでnuvi 2795に目的地を転送できる。

目的地を受信した本機にはダイアログが表示されるので「出発」をタップすればルート検索が行われる。実際にやってみるとこれは非常に快適だ。まったく新しい発想の機能だが、「アイディアはいいがやってみたら面倒だった」というような企画倒れな感じが全くない。いい意味で普通に便利、と言える。

この機能はネットの最新情報から目的地を探せることが利点なのだが、実際に使ってみると、それよりも手元で操作できることが非常に便利だった。PNDを使っていて、文字入力のような細かい操作をするときにかなり無理な姿勢を強いられることは多い。特に室内の広いミニバンなどはダッシュボードが遠く、ヨイショと身を乗り出さないとPNDに触れなかったりする。そんなとき、手元のスマホで目的地設定ができるのは非常に便利なのだ。

◆着実に進化しているガイド機能、ルート全体の確認も可能に

nuviシリーズのガイド機能といえば、スッキリと分かりやすい地図に白い矢印で曲がる方向を表示するシンプルそのもののスタイル。その伝統は本機にも受け継がれているが、同じに見えて使ってみるといろいろなところが違う。使えば使うほどに進化を遂げていることが実感できた。

たとえば目的地を選ぶと「ルート」、「i」、「出発」の3つのボタン(あるいは「出入口」を含めた4つのボタン)が表示される。このうち「出発」をタップすると従来のnuviシリーズと同じ、「ルート」をタップすると一般的な国産PNDと同じ動作をする。その違いは、「ルート」だとガイドを開始する前にルートの全体図を表示してくれるのだ。従来のnuviシリーズは特別な操作をしない限りルートの全体図を表示してくれなかったが、これがようやくこれが改善された。

地図の表現力もアップしている。新たにレイヤーに対応し、通常の地図画面に加えて道路沿いの施設、3Dアイコン、走行軌跡を地図に表示できるようになった。また、地下鉄の駅の形なども地図上で表示されるなど、シンプル一辺倒だった従来の地図とは一線を画すものとなっている。

ジャンクションやインターチェンジのイラスト表示、交通案内板表示、ハイウェイモード、レーン情報などは従来通り搭載しており、さらに便利な機能も加わった。目的地に近付くと画面に「P」マークが表示され、それをタップするだけで周辺の駐車場を検索できる。また、簡単な操作で画面にレストランやガソリンスタンドなどを検索するショートカットアイコンを表示できるようになった。

実際に使用してみて、スマホのカーナビアプリとは違う実力も確認できた。画面が大きく見やすいことも改めて実感したが、それ以上に感心したのがGPSの受信感度だ。スマホでは確実にGPSをロストする半地下式高速道路に入っても、本機はほぼ完璧に現在位置を測位し続けた。たまたま衛星の位置が良かった可能性もあるが、今まで何十回も走ってスマホでは一度も測位できなかった場所で、本機が測位できたのは事実だ。

《山田正昭》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  2. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  3. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  4. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る