動く零戦を披露!所沢のエンジン始動イベントにファン多数

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姿を現した零戦(零戦エンジン始動&タキシング見学会)
姿を現した零戦(零戦エンジン始動&タキシング見学会) 全 13 枚 拡大写真

 所沢の航空発祥記念館で28日、「零戦エンジン始動&タキシング見学会」が開催された。31日まで開催されており、実際のエンジン音や滑走する姿を見ることができるが、28、29日には、1日3回開催されたイベントは1回300枚のチケットが完売。会場には抽選で選ばれたゼロ戦・航空ファンらがかけつけ、熱心に写真やビデオにおさめていた。

 イベントの特設会場となった場所は普段は駐車場として使われているスペース。航空機の格納庫を模して作られた「日本の航空技術100年」展のゼロ戦展示スペースはこの特設会場に隣接しており、設置された大きな扉が開くとゼロ戦が後ろ向きに姿を現した。何人かのスタッフに押されるようにして登場したゼロ戦は、会場中央で弧を描くと来場者と正対、エンジンが回転し安定するとその音を周囲に轟かせた。

 この日登場した機体は零式艦上戦闘機の五二型と呼ばれ機体の略式番号はA6M5。栄二一型発動機というエンジンを搭載した中島飛行機純生産のものだ。イベントではエンジン始動の際に最大出力を出す場面も見られたが、生産当時のゼロ戦がそのパフォーマンスを最大限発揮できるとされている高度3000メートル地点で最大出力を五二型が出した場合のその速度は時速290ノットということだ(登場した機体は保全ということでその速度では飛ばないそうだ。計器による最大速度は不明)。

 イベント開催にあたり航空発祥記念館館長の紙野憲三氏は「去年の12月からの約9ヵ月間で15万人もの方に来場いただいております。このゼロ戦はアメリカのPLANESOFFAME(航空博物館)が所有しております。1944年にサイパン島でアメリカ軍が接収しアメリカ本土に持ち帰った13機のうちの1機です」と紹介したほか、イベントで操縦士をつとめたPLANESOFFAME航空博物館の館長、ジョン・マロニー氏は「世界で唯一、オリジナルのエンジンで飛ぶことが出来るゼロ戦です。とても貴重な飛行機なので搬送には細心の注意を払いました。コンテナに入れてポジションも動かないように調整しながら大事に運んできました」とプライベート博物館のあるアメリカ西海岸からのゼロ戦運搬について話していた。

 戦後68年を迎えた今年はとにかくゼロ戦にまつわる事柄が多い。ゼロ戦設計者の堀越二郎は、7月に公開されたジブリの新作映画「風立ちぬ」のモデルとなっている。百田尚樹原作のベストセラー小説「永遠の0(ゼロ)」は12月21日に映画が公開予定発表、その仕上がりが期待されている。

 所沢の航空公園内にある航空発祥記念博物館では他に堀越二郎の企画展「堀越二郎の生涯」を9月1日まで開催している。

《稲葉九@RBB TODAY》

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