ジヤトコ、海外3拠点目、タイでCVTの本格生産を開始

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ジヤトコは、タイの生産会社ジヤトコ・タイランドが、新工場でCVT(無段変速機)の本格生産を開始したのに伴って、9月9日、アマタナコーンの新工場で開所式を実施した。

新工場は、メキシコ、中国に続くジヤトコとして3番目の海外生産拠点で、小型車用の副変速機付CVT「ジヤトコCVT7」を生産し、タイ日産で生産される『マーチ』や『シルフィ』向けに供給する。

投資額は約200億円で、生産能力は年間50万台。現時点での従業員数は約740人で、2014年度までに約1300人にまで増員する予定。

ジヤトコでは、2011年6月にタイで生産する初のCVTメーカーとして現地生産を発表し、同月ジヤトコタイランドを設立して、新工場の立ち上げ準備を行ってきた。現地採用の人材を日本で教育する独自の研修制度により、工場立ち上げ当初からオペレーションも現地化、本格的に稼働した。

また、新工場では使用するアルミ材料を、隣接するサプライヤーからインゴット(固体)ではなく溶湯(液体)での納入とすることで再溶解の工程を廃止し、年1350トンのCO2削減を実現した。

ジヤトコの秦孝之社長は「ジヤトコタイランドで生産されるCVTは、クルマの燃費性能向上、CO2削減に大きく貢献し、環境対策の重要な技術の一つとして高く評価されている。製品普及による環境対応や、投資・雇用の創出などにより、今後もタイの自動車産業と地域経済の発展に貢献したい」と述べた。

また、ジヤトコタイランドの平山智明社長は「既に現地の優秀な人材が数多く入社し、彼らが日本で研修したことをタイで広めることにより、オペレーションレベルも高度化している。今後は、生産性・品質・コストなどあらゆる面で、ジヤトコグローバル拠点の範となるような工場にしていきたい」と述べた。

ジヤトコは、2012年度の生産台数が年間478万台、売上高5925億円のトランスミッション専業メーカーで、2012年のグローバルなCVT市場に占めるシェアは49%となった。同社では、2018年度までに売上高1兆円の達成を目指しており、その時点での海外生産比率は2012年度の25%から約70%へ増加する見込み。タイ工場は、ジヤトコのグローバル展開の重要な一翼を担うほか、メキシコ、中国の生産能力も拡大する予定。

《レスポンス編集部》

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