アリアンスペース社は、アリアン5ロケットによる2015年から2016年まで通信放送衛星5機の人工衛星打ち上げ契約締結を発表した。
2015年第2四半期には、アリアン5ECAロケットにより『インテルサット-34』の打ち上げを行う。インテルサット-34はスペース・システムズ・ロラール製の通信衛星。東経304.5度の静止軌道上で、南米および北大西洋の海上、航空向けに映像配信とブロードバンド接続のサービスを行う予定。この衛星で、アリアンスペースが2013年にインテルサットと交わした打ち上げ契約は4機目となる。
2015年後半には、アリアン5ロケットによりディレクTV社の通信衛星打ち上げを行う。オービタル社製スター2バスを使用し、打ち上げ時の重量は約3.2トン。
2016年には、アリアン5ロケットにより『エンブラテル-スター ワン D1』の打ち上げを行う。エンブラテル-スター ワン D1は、ブラジル第2位の通信事業者エンブラテル社の子会社である衛星オペレーター、スターワン社の通信衛星。スペース・システムズ・ロラールが製造し打ち上げ時の重量は約6トン。西経84度の静止軌道上で南米、北米にDTH(Direct-to-Home デジタル直接受信)衛星放送のサービスを行う。また、スターワンの衛星として初めて、大容量通信が可能なKa帯に対応する。この衛星で、アリアンロケットが打ち上げるスターワン社の衛星は11機目となる。
2016年には、防衛目的のブラジル政府衛星、『SGDC』打ち上げを行う。SGDCは、ブラジル初の政府衛星でタレス・アレニア・スペース社製、打上げ時の重量は5.8 トン。西経75度の静止軌道上でX帯、Ka帯の官民共用通信サービスを提供する。この衛星により、ブラジル僻地でもブロードバンド接続サービスが利用できるとのことだ。
2016年第3四半期には、アリアン5ロケットにより『IS-32』衛星の打ち上げを行う。IS-32はディレクTVの通信衛星。アストリウム社製ユーロスター3000バスを使用し、打ち上げ時の重量は約6.3トン。西経43度の静止軌道上でブラジル向けに映像配信サービスを行う。
今回発表の通信放送衛星は、いずれもアリアンスペース社の南米フランス領ギアナ・クールーにあるギアナ宇宙センターから静止トランスファ軌道に打上げられる予定だ。