【メルセデスベンツ E350ブルーテック 試乗】長い距離を走るほどに旨みあり…松下宏

試乗記 輸入車
メルセデスベンツ E350ブルーテック
メルセデスベンツ E350ブルーテック 全 14 枚 拡大写真

メルセデスベンツ『Eクラス』の大幅改良では、V型6気筒3リットルの直噴ディーゼルターボを搭載するE350ブルーテックも、動力性能と燃費を向上させるなどの進化を遂げた。ステーションワゴンのアバンギャルドに試乗した。

新しいE350ブルーテックは185kW/620N・mの動力性能を発揮する。これは従来のモデルに比べるとパワーで30kW、トルクで80N・mもの大幅な向上である。

実際に走らせた印象も、直噴ターボディーゼルの持つトルクの太さによって、とても走りやすいクルマというものだった。アクセルペダルに軽く足を乗せているだけで、滑らかで力強い走りが得られるからだ。

車外でアイドリング音を聞くと、多少はディーゼルらしさが感じられるものの、走行中の室内は高い静粛性が確保されていて、ディーゼル車に乗っていることを全く感じさせない。ペダルやステアリングへの振動もしっかり抑え込まれている。

エンジンの吹き上がりも良い意味でディーゼル離れしている。タコメーターの針はガソリン車と変わらない感覚で動くので、レッドゾーンが低い位置にあることを見なければ、ディーゼル車とは感じられないくらいの吹き上がりである。

軽油の安さと燃費の良さを考えると維持費はガソリン車に比べて格段に安くなる。それに加えて余裕のトルクが得られるから、距離を走るユーザーにはE350ブルーテックが絶好のお勧めモデルになる。クリーンディーゼル車に対する補助金があることも魅力だ。

今回の試乗では、特設コースで最新の安全装備も体験した。飛び出し検知機能の付いたブレーキアシストプラス、歩行者検知機能付きのプレセーフブレーキ、ステアリング制御も加わった全車速追従型のディストロニックプラスなどなど、最新の仕様が設定されている。

中でもディストロニックプラスは、全車が左右に動いたり、あるいは道がカーブしていたりするのに対応し、一定のステアリング制御が加わるようになっていた。クルマの進化していく方向が見えたように思えた。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 日産『エクストレイル e-POWER』、338馬力デュアルモーターの「e-4ORCE」をインドネシア投入
  2. 内装はまるで「地中海のヨット」! VWが新型キャンピングカー『グランドカリフォルニア』発表へ
  3. ランボルギーニの新型スーパーカー、初のカスタマイズ仕様「ポルト・チェルヴォ」公開
  4. もしも「タイプ992」が初代911をオマージュした世界線だったら…? ウクライナのデザイナーが再解釈
  5. 大胆なブラックバンパーに大反響!ダイハツ『ロッキー』のコンセプトカーを10台限定で市販化
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  3. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  4. 湘南から走り出した車、フェアレディZやエルグランド…日産車体が量産終了へ
  5. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
ランキングをもっと見る