日立超LSIシステムズ、車載情報機器向けにマルチOSソリューション RTO/V を提供

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R-Car M2向けリアルタイム・オーガナイザーによるマルチOSシステム構成図
R-Car M2向けリアルタイム・オーガナイザーによるマルチOSシステム構成図 全 1 枚 拡大写真

日立超LSIシステムズは、マルチOSソリューションの新シリーズ「リアルタイム・オーガナイザV(RTO/V)」を、ルネサス エレクトロニクス製車載情報機器向けSoC(System on Chip)「R-Car M2」(ARM Cortex-A15 マルチコア)に向けて提供する。

近年、組込み機器の高性能・高機能化にともない、消費電力を抑えつつ、高いパフォーマンスの実現要求に応えるため、マルチコア・プロセッサの採用が主流になりつつある。これに対し、ハードウェアが持つ複数のコアを効率的に活用しながら、安定動作を確保し、高いリアルタイム性と高機能なユーザ・インターフェースの実現が課題となっているという点が、背景にある。

リアルタイム・オーガナイザは、マルチコアのそれぞれのコア上で、リアルタイムOSであるT-Kernelと、汎用OSであるLinuxとを同時に実行し、OS間の通信・排他制御・デバイス共有を実現する組込みマルチOSソリューション。リアルタイム・オーガナイザにより、ユーザーは、リアルタイムOSの持つリアルタイム性能・安定性と、汎用OSの持つネットワークやユーザーインターフェースなどの高度な機能を、ひとつの組込みシステムで同時に利用することができる。また、リアルタイムOSの起動の速さを活かし、システム全体の起動時間を飛躍的に短縮することが可能。たとえば車載情報機器において、瞬時にカメラアプリケーションを起動することができる。

これらに加え、新シリーズ「リアルタイム・オーガナイザV(RTO/V)」では、マルチコア・プロセッサの仮想化支援機能を活用し、より強固なドメイン保護機能とコア負荷分散機能を組込みシステムに提供する。ドメイン保護機能は、マルチOSの情報系と制御系の処理を互いに干渉することなく安全に実行する機能であり、コア負荷分散機能は、OS間で作業負荷に応じてコアの処理占有率を決められる機能とした。これにより、R-Car M2のパフォーマンスを最大限に活かし、信頼性と実用性の高い車載情報機器を実現。また、ハードウェアの過度な仮想化を行わず、ハードウェアの直接の制御も可能であることから、従来のハイパーバイザでは難しかった高いリアルタイム性能も発揮する。

同社は今後、ユーザーが使用するハードウェア環境への「リアルタイム・オーガナイザV(RTO/V)」のポーティングのほか、デバイスドライバやリアルタイム・アプリケーションの受託開発に対応し、組込みマルチOSシステムのトータルソリューションを提供していくとしている。

なお、新サービスはβ版のリリースを今年12月に、製品化を2014年4月に予定している。

《村尾純司@DAYS》

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