南アの近郊鉄道、新型車両3600両を導入…仏アルストムなどの共同企業体と契約

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仏アルストムなどの共同企業体が南アPRASAから3600両を受注した新型電車「X’Trapolis Mega」のイメージ
仏アルストムなどの共同企業体が南アPRASAから3600両を受注した新型電車「X’Trapolis Mega」のイメージ 全 2 枚 拡大写真

フランスのアルストムは10月16日、同社が率いる共同企業体Gibelaと南アフリカ鉄道旅客公社(PRASA)が、通勤電車3600両の製造について現地工場の建設や18年間の保守、部品供給を含め約510億南アランド(約5076億円)で契約したと発表した。

3600両の新車導入は世界の鉄道でも最大規模のプロジェクト。アルストムは同社史上最大の車両製造契約だとしている。

PRASAは「メトロレール」の名称で、首都プレトリアとヨハネスブルク周辺、ダーバン、ケープタウン、東ケープの4都市圏で近郊鉄道を運営しているが、車両は1958~1985年の製造で老朽化が進んでいる。同社は20年間で計7224両の新車を導入する計画で、今回の契約はその第一弾となる。

製造される電車は「X’Trapolis」と呼ばれるアルストムの近郊用電車シリーズをベースに、日本と同じ南アの1067mm軌間に合わせて改良した「X’Trapolis Mega」で、ステンレス車体の片側3ドア車。1編成は4~6両で、6両編成の場合の全長は131m、定員は1300人超となる。車内には監視カメラやWi-Fi設備などを設置。最高速度は120km/hだが、将来的には160km/hに対応できる設計となっている。

車両は2015年から2025年にかけて、4地区の「メトロレール」のうち電化されている首都プレトリアとヨハネスブルク周辺、ダーバン、ケープタウンの3地区に導入される。

新車の大量導入は鉄道の信頼性や安全性の向上のほか、南アの鉄道産業活性化や雇用の拡大も目的としている。最初の20編成はブラジルのアルストム工場で製造されるが、Gibelaは2015年の操業開始を目指してヨハネスブルク近郊に工場を建設。工場で1500人超、関連業種で約3万3000人の雇用が創出され、国産化レベルは65%超になる見込みという。

《小佐野カゲトシ@RailPlanet》

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