【ITS世界会議13】“つながるクルマ”がもたらすビジネスの可能性と課題

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左がトヨタ自動車第1電子開発部主査村田賢一氏、右が日産自動車株式会社ビークルサービステクノロジー本部村松寿郎氏。
左がトヨタ自動車第1電子開発部主査村田賢一氏、右が日産自動車株式会社ビークルサービステクノロジー本部村松寿郎氏。 全 8 枚 拡大写真

東京ビッグサイトで開催されたITS世界会議において10月17日、「車のインターネット化」をめぐる議論が交わされた。

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参加者は英国SBD主席アナリストAndrew Hart氏、INRIX製品計画部門Scott Sedlik氏、日産自動車ビークルサービステクノロジー本部の村松寿郎氏、トヨタ自動車で次世代車載情報機器の開発トップを務める第1電子開発部主査の村田賢一氏の4名。

◆次世代車社会の主役は?

クルマはもはや移動するためだけのモノではない。村田氏(トヨタ)が指摘するように「(自動車は)エンターテイメントスペース、機械としての乗り物、贅沢品、公共プラットフォーム」と様々な目的をもつデバイスとなりつつある。

村田氏によると、今や900万もの車車間/路車間連結デバイスが出回っているという。将来的には25億ものデバイスが自動車に連結される。これら“繋がる機能”を装備したものが「コネクテッドカー」だ。日本語にはインターネット接続車と訳される。現在新しい車の11%が双方向コネクテッドカーである。

消費者はどう反応するか。「コネクテッドカーの回線となるWiMAX/3G/4Gが直接的にユーザーの関心を引くわけでは当然ない。しかし彼らの関心のある嗜好、エンターテイメントと結びつく道具にはなりうる」と村田氏は指摘する。

◆クラウドビッグデータが巻き込むビジネス

コネクテッドカーによりクラウドへ集められるのは膨大なドライブ情報だ。インターフェスにとしては、「(タブレットなど)タッチスクリーン」やApple「Siri」など音声認識/エージェント機能が挙げられた。

会場からの質疑応答では、「自動車メーカーはGoogleやAppleとは競合するのか、もしくは協同しうるのか? また小規模スタートアップ企業とはどのように関わるか?」という質問がでた。トヨタの村田氏は「Googleとはよい関係が築けると考えている。ユーザーエクスペリエンスを製品そのものと考えているからだ」と積極的な姿勢をみせつつも、セキュリティ面での課題と懸念を示した。日産の村松氏はメーカーと消費者との関係、メンテナンス、エンターテイメントの点で気を配る必要性を示した。

◆中国・セキュリティ・コネクテッドカー

「中国はこれから市場となるか。(日本などの先行事例で得られた)教訓が活かせる場となるのでは?」という質問には、村松氏は「日産にとって重要な市場でありながらエンターテイメントでのビジネスは難しい。供給者があまりにも多いためだ。ただディーラーのオプションは多岐にわたり、マージンも高い」とコメント。また村田氏は「トヨタにとって非常によい市場である。旺盛なサービスへの需要もあり、当社としてはより洗練されたサービスを提供したい」との期待を示した。

続いて、「プライバシーという大きな課題についてどのように考えているか」という質問については、日産村松氏は非常に関心があり、「若い世代は個人的な情報をよろこんでシェアする傾向にあり、また国地域によってもデータ保護への態度が異なる」と述べる。トヨタ村田氏は「あらゆるモデルに共通した基準づくりが必要となる」という見解を示した。

コネクテッドカーの実現と普及によって、日本や中国、欧米といった地域的な線引きは消え、「自動車」「IT」「サービス」といった業種の境界線も失われ、さまざまなプレイヤーがしのぎを削ることになる。もはや自社のみですべてのサービスを揃え賄うことは不可能で、今後は、あらゆるテクノロジーの最適連結を考えることが急務となるだろう。

《北原 梨津子》

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