NASA 月探査機『LADEE』搭載機器による地球・月間の大容量レーザー通信実験に成功

宇宙 テクノロジー
NASA 月探査機『LADEE』搭載機器による地球・月間の大容量レーザー通信実験に成功
NASA 月探査機『LADEE』搭載機器による地球・月間の大容量レーザー通信実験に成功 全 2 枚 拡大写真
NASAは、月探査機『LADEE』に搭載したレーザー通信装置『LLCD』により、地球と月の間で622Mbpsの最大通信速度を達成したと発表した。

深宇宙との大容量通信に対応するため、NASAは従来の電波通信から、レーザー通信技術の実用化を目指している。LLCDは、NASA初の2方向レーザー通信システム実証ミッションとなる。

マサチューセッツ工科大学リンカーン研究所が開発し、LADEEに搭載されたレーザー通信機器LLCDは、重量およそ約30kg、口径10cmの望遠鏡と2軸のジンバル、0.5ワット赤外線レーザー送信機を搭載し、最大で622Mbpsの通信が可能だ。通信にあたって、地上局の6インチ反射望遠鏡から探査機へビーコンを送信する。LLCDは検知したビーコンの方向へデータを送信する。今回、NASA ジェット推進研究所のテーブルマウンテン施設、ESAのスペイン・カナリヤ諸島テネリフェ島観測施設など地上局が受信実験に参加している。ニューメキシコの地上局と月周回軌道上の探査機間で、エラーフリーデータの20Mbpsアップロード実証を行うのも目的だ。

今回、レーザー大容量通信実証に成功したことで、将来は月以遠の深宇宙探査にあたって、高解像度画像や3D映像の送受信が可能になるという。たとえば、平均的な映画と同程度の長さのHD動画の場合、LADEEに搭載された通常の通信用のS帯送受信機では639時間かかるところを、LLCDであれば8分で送信できるという。

LADEEは、NASAのエイムズ・リサーチ・センターが開発し、9月に米ヴァージニア州ワロップス飛行施設から打ち上げられた、月の大気・塵探査機。ミッション期間は約100日間と比較的短い。LLCDの実証機関もごく短期間に限られたものとなるため、NASAでは2017年にさらに長期にわたるレーザー通信実証実験『LCRD』を予定している。

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《秋山 文野》

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