田中貴金属工業は、2013年1月から9月までのプラチナ地金の販売量と買取量をまとめた。
プラチナの2013年1月から9月までの国内平均価格は4801円/gで、前年同期の平均価格4021円/gを700円以上上回った。
プラチナ価格は、南アフリカの大手鉱山会社の減産発表や、労組間での紛争懸念を要因とした供給不安を背景に、2月に今年最高値となる5305円/gをつけた。3月以降は、中国における宝飾や自動車の需要と、米国の好調な新車販売が下支えとなりつつも、プラチナ触媒を多く使用するディーゼル車需要の高い欧州における、経済低迷による実需の伸び悩みなどで徐々に値を下げ、7月は月平均価格が4582円/gまで下がった。8月に入ると、南アフリカの大手鉱山会社での労働争議懸念が再燃し、中国経済の景気減速懸念が後退したことを背景として価格を上げ、9月4日には4977円/gをつけ、9月の月平均価格は4746円/gとなった。
2013年1月~9月におけるプラチナ地金の売買状況は、前年同時期と比較して販売量は35.5%減少、買取量は73.8%増加した。また、2012年年間の取扱量と比較すると、販売量は45.2%減少、買取量は19.8%増加となった。昨年同時期の平均価格より700円以上高い価格推移と、堅調に推移している買取量から、プラチナ資産に対する関心の高さがうかがえる。今後は、南アフリカの大手鉱山会社による労使交渉を背景とした供給動向と、米国やディーゼル車需要の高い欧州の景気回復による需要動向に、市場の注目が集まることが予想される。