【メルセデスベンツ ゼトロス 同乗】全輪駆動トラックの豪快な走り…高根英幸

試乗記 輸入車
ゼトロス1833A。直噴ターボディーゼルは、7.2Lの排気量から326psのパワーを発生させる
ゼトロス1833A。直噴ターボディーゼルは、7.2Lの排気量から326psのパワーを発生させる 全 4 枚 拡大写真

『ウニモグ』と同じダイムラーベンツの全輪駆動オフロードトラック、『ゼトロス』にも同乗試乗する機会を得た。ウニモグと違い、ゼトロスは日本には導入されていないから、存在自体がレアだ。

【画像全4枚】

先のウニモグ同様、ゼトロスも日本の法規には合致していないため、特認車両として2年間限定で活動を許されたもので、今後は20台の大半がドイツに帰ることになる。それでもこの三菱ふそうで保管する3台のほか、石川県にある日本自動車博物館にも寄贈されることになったから、そちらで実物に会うことも可能だそうだ。

さて、ゼトロスもウニモグ同様、キャビンが高いので乗り込むのは大型トラック並みの大変さだ。カメラや荷物を持ちながらの乗り込みでは、転げ落ちないようにステップ上で荷物をシートに放り上げてから、身体を引き上げてキャビンに滑り込ませる。室内に乗り込んでみると、ダッシュボードはトラックとしては洗練された印象で、その前方にボンネットが見えるのがちょっと不思議な感じだ。

日本に輸入されたゼトロスには実に色々な仕様があるが、三菱ふそうが保管するのは2軸のショートボディで、キャブと荷台の間にはエンジンで駆動する油圧(PTO)で作動するクレーンにバケットを組み合わせて荷台に土砂などを積み込めるようになっている。クレーンは車体中央で操作できるほか、センターシートの代わりにリモコンが鎮座しており、室内からも操作できる。

走り出してみると、その乗り心地や静粛性はトラックというより重機、という印象。つまりかなりエンジン音は室内に響き、乗り心地も荒々しさを感じさせる。エンジン音も大排気量の6気筒らしい滑らかさとディーゼル特有のノイズが入り交じった特有のもので、いかにも力強さを感じさせる。実際、アクセルを大きく踏み込むと、加速も相当に力強い。

トランスミッションは8速プラス、登坂や泥濘地用のクローラーギアというスーパーローの9段変速でウニモグのような副変速機はないが、全体的にローギアードなので走破性は相当高そうだ。勾配10%の登坂路など、まるで平地と変わらぬという素振りで登り切る。

国産トラックにも4WDはあっても、ここまでオフロード性能を追求したトラックは存在しない。だからこそ震災復興に役立ったのだが、これで現役引退かと思うと残念にも感じたのであった。

《高根英幸》

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