【第3回鉄道技術展】近畿車輛、次世代バッテリー電車をPR…LA向け電車の先頭部も登場
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「HARMO」は現在研究開発中の大容量リチウムイオン蓄電池を搭載したバッテリー電車。1両を基本構成としており、ローカル線での単行運転から都市部での長編成まで対応する。名称は「High-efficiency Advanced Railcar for Multi Operation」の頭文字をとっており、ブースには従来の鉄道車両のイメージを越えた斬新なデザインの車両モデルが展示されている。
給電方式と制御システムは、走行路線に対応して各種の組み合わせが可能としており、発電機を搭載した「自己充電方式」や、駅などで急速充電し架線のない区間ではバッテリー走行する「スポット充電型」、電化区間では架線で走行し非電化区間ではバッテリーを使用する「架線充電型」(直流電化区間用と交流電化区間用)のほか、バッテリーを搭載しない電気式ディーゼルカータイプの「DEC型」を紹介。バッテリーでの走行距離は約10kmという。
同様にバッテリー技術を使った車両として、停留場など拠点で急速充電し、架線なしで走行できるLRV「omniTRAM(オムニトラム)」のモデルも展示。車両連接部分の屋根から出た突起と電気スタンドのような形の設備は、従来の架線とパンタグラフでは充電に時間がかかるため、急速充電を行うために考えられた給電装置という。車両全体のデザインとともに、未来的なフォルムが来場者の目を引いていた。
先頭部のカットモデルを展示しているロサンゼルス向けのLRVは、2015年7月以降に投入される2両連接車で、運転台内部の様子も見ることができる。また、2015年開業予定の仙台市営地下鉄東西線向けに製造中の2000系も模型を展示。前面窓下の三日月のようなデザインは伊達政宗の兜(かぶと)をイメージしたといい、こちらも注目を浴びていた。
《小佐野カゲトシ@RailPlanet》