【VW ポロ ブルーGT 試乗]走りと燃費の好バランス、価格も魅力的…松下宏

試乗記 輸入車
フォルクスワーゲン・ポロ ブルーGT
フォルクスワーゲン・ポロ ブルーGT 全 16 枚 拡大写真

VW『ポロ』に環境性能とスポーツ性能を両立させた「ブルーGT」が追加された。

新型ゴルフの1.4リットルTSIエンジンをポロに移植したモデルで、ACT(気筒休止機構)やアイドリングストップ機構を備え、歴代ポロでトップとなるリッター21.3kmの低燃費を実現するとともに、「GTI」並みの動力性能を備えている。

外観デザインはGTを名乗るだけに標準車とは差別化された専用のエクステリアが用意されている。前後バンパーやフロントグリル、リヤスポイラー、ブラックドアミラーなどが専用のもの。スポーツサスペンションも専用の17インチアルミホイールが装着されている。

インテリアもカラーコーディネイトされるとともに、専用のレザー3本スポークステアリングやファブリック/アルカンターラの専用スポーツシートを備えている。

TSIエンジンの動力性能は103kW/250N・mで、ポロGTI用のツインチャージエンジンが132kW/250N・mであることを考えると、パワーでは及ばないが、トルクは同等の性能を得ている。

それでいて、燃費はリッター16.6kmに対して21.3kmと大きく上回っている。既存のポロはハイラインが50%減税で、GTIは減税なしだが、ブルーGTは75%減税が適用される。

低回転域ではパワーもポロGTI用のエンジンと変わらないので、タウンユースではとても良く走るクルマという印象になる。ボディに対して余裕のある動力性能を持つので、環境性能車というよりもスポーティ車と言った方が良いような感じだ。

タウンスピードで走っていても、アクセルを緩めれば気筒休止に入るが、それを全く感じさせない。ユーザーが気付かなくても結果として燃費が良くなっているなら、それで良い。

足回りはスポーツサスと17インチアルミによって相当にしっかりした乗り味を味わわせてくれる。乗り心地の快適性は損なわれていないが、足回りの印象は標準車のハイラインよりもGTIに近い。

問題は価格。ポロのハイラインが246万円で、GTIがカーナビも標準で318万円なのに対し、ブルーGTは263万円だ。ナビの有無を考慮に入れる必要があるが、GTI並みの走りを実現する割には55万円も安いのだから、ブルーGTは魅力的なグレードといえる。

ハイラインとの価格差も20万円以下に抑えられているから、今後はポロの売れ行きはブルーGTに集中するのではないかと思う。

ただ、ゴルフで1.2リッターエンジンを搭載するコンフォートラインが269万円の設定なので、ポロの中で比較検討するのではなく、ゴルフと比較してどちらを選ぶかということも考える必要がある。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. BEVを2年間所有した、“リアルな”ランニングコストを大公開
  2. ベントレーの超高級住宅、最上階は「55億円」 クルマで61階の自宅まで
  3. 【ダイハツ ムーヴ 新型】「ポッキー入れ」にイルミネーション、軽自動車でも質感を“あきらめさせない”インテリアとは
  4. 日産の新型セダン『N7』、発売50日で受注2万台を突破
  5. メルセデスベンツの万能車『ウニモグ』がキャンピングカーに! 数日間の自給自足が可能
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  5. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
ランキングをもっと見る