日産自動車が発表した2014年モデルの『GT-R』。その進化のポイントについて、GT-Rのチーフ・プロダクト・スペシャリスト田村宏志氏は「遮音の感覚とか、走り出した瞬間に違いがわかって、“同じ車?”と言ってもらえるぐらい変えました」と、仕上がりに自信を示す。
2014年モデルは、大人が楽しめるGT-Rとし、グランツーリスモ(GT)の上質な乗り心地、レーステクノロジー(R)の圧倒的な速さ、2つの要素の両立を目指した。
「GT-Rではあまりやりたくない遮音のために、重量は10kg使いましたし、ノイズキャンセラーで音消しもしています。ステアリングの初期イメージやブレーキのリニア二ティを変えていますし、ボディも後側を中心に合わせ目を変えることでボディ剛性が高まっています、これ以上ない領域まで進化してきています」と改良のポイントを話す田村氏。
2013年モデルとの比較に関しては、「2013年モデルを買ったお客様も“乗り心地が固くて、女房が乗りたくないって言われるんだよ”と悩んでおられるので、乗り心地のいいGTの足にすればいいんですというのが私の考えです」と語る。
加えて「足を柔らかくしたからといって、GT-Rなのでタイムが遅くならないようにバランスをとらなければなりません。確かに、足を柔らかくして車をロールさせると、S字のような切り返しのある場面ではタイムが落ちます。一方で、足を固くして車がはねる部分は、トラクションがかからないので車が進みません。“どっちをたてますか?”という部分で、そのバランスをとるためのデータが揃って高次元で両立させたのが2014年モデルです」と話した。
その乗り心地に関しては「今まですごく固かった足を、ちょっと固い足に変えただけなので、今まで通り全然スポーツカーです」と語り、販売の比率について「僕のイメージでは、GT-Rが9割、GT-Rニスモが5%~10%」との考えを示した。