アフリカ初のがんサミット
11月20日、「2013年世界対がんリーダー・サミット」(WCLS)が南アフリカ、ケープタウンで開催された。WCLSがアフリカ地域で開かれたのは今回が初めてとなる。
「がん」と聞くと富裕な先進国での病気だと考える人も多いかもしれないが、最近では中・低所得国でのがんの急増が目立っている。このサミットは世界の保健、開発構想の中でがん対策を全面的に再編成して調整された多レベルの世界的対応策を確立するための重要なフォーラムとなる。
(画像はUICCホームページより)
中・低所得国でのがん増加
WCLSは、国際対がん連合(UICC)が組織し、南アフリカがん協会が主催した。世界保健機関(WHO)によると、今年全世界で1200万人以上ががんと診断され、約800万人が死亡すると予測されている。そして、がんによる死亡の7割は先進国ではなく、中・低所得国で起きているという事実がある。また、何の対応策も取らずこのままの状況を放置した場合、がんの発症数は2030年までに中所得国で70%、低所得国では82%の増加が予測されている。
世界的ながん対策
UICC会長のメアリー・ゴスポダロウィッツ氏は
「今年のサミットのテーマは『2025年までにがんディバイド(がん対策の格差)をなくす』であり、国内的、国際的、地域的な境界内、および境界を越えて著しく目立っているがん対策の不均衡に緊急に対応する必要性を強調している。がんの発症と死者が圧倒的に増加している地域であるアフリカに本日われわれが集まったことは特に大きな意味がある」(プレスリリースより引用)
と、中・低所得国が大半を占めるアフリカ地域のがん対策の緊急性を強調している。
国連は、2025年までに非感染性疾病(NCD)による早すぎる死を25%減らすというコミットメントを出しており、今回開催されたWCLSなどのサミットによって、世界のがん対策がより進んでいくことが期待される。