【BMW 5シリーズ 改良新型】ミドルクラスのベンチマーク、その歴史をたどる

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BMW 550i(MC後モデル)
BMW 550i(MC後モデル) 全 27 枚 拡大写真

1972年の登場以来、高級ミドルクラスのベンチマークとなって久しい『BMW 5シリーズ』。

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現在はセダン、ツーリング、グランツーリスモからなる3つのボディに、ガソリン、ディーゼル、ハイブリッドと3つのパワートレインを用意するなど、多彩なモデルで展開。同時にツインパワー・ターボ・エンジンや高精度ダイレクト・インジェクション・システム、バルブトロニックといった最新テクノロジーの採用によって、環境性能を飛躍的に高めながら、BMWならではのスポーティな走りを極めて高いレベルで実現するなど、目覚ましい進化を遂げている。

今回は現行モデルに加えられた改良を機に、5シリーズの誕生から現在までを振り返り、あらためてその魅力に迫ってみよう。

◆ 5シリーズの祖先「BMW 1800」と「BMW 2000」が誕生

1916年に航空機エンジンメーカーとして創業したBMWは、1923年からモーターサイクルの分野でも名を馳せ、また早くから超高級車づくりでも高い評価を得ていた。

そして4輪車の量産メーカーとして確固たる地位を築いたのは第二次大戦後。特に1961年に1.5リットル直列4気筒エンジンを搭載した「BMW 1500」が登場してからと言っていいだろう。このBMW 1500の発展版である「BMW 1800」(1963年)や「BMW 2000」(1966年)が、初代5シリーズの前身となる。

◆ 初代5シリーズ(E12型)が登場

1972年、初代5シリーズ(E12型)が登場した。その役割は従来のBMW 1800やBMW 2000の系譜を受け継ぐことにあり、モデル名を「520」「528i」といった3ケタ数字とする方法は、この初代5シリーズから始まった。1973年にはそれまでの直4エンジンに加えて、初代7シリーズ(1977年)の前身である「BMW 2500」や「BMW 2800」で高い評価を得ていた直列6気筒エンジンが採用された。

2代目5シリーズ(E28型)に進化。初代M5が登場

1981年、5シリーズは2代目(E28型)にフルモデルチェンジした。直6エンジンは、軽量な「ライトシックス」系から高出力の「ビッグシックス」系までバリエーションを拡大。「シルキーシックス」の異名を確立した。

また、この2代目5シリーズから、BMWのモータースポーツ部門であるM社が開発を手がけた初代『M5』(1985年)が登場した。初代M5が搭載したエンジンは、レーシングカーのホモロゲーションモデルとして市販されたBMW初のミッドシップスーパースポーツ『M1』(1978年)から譲り受けた3.5リットル直6・DOHC 4バルブユニットだった。

3代目5シリーズ(E34型)では、V8エンジンやツーリングが登場

1988年、5シリーズは3代目(E34型)に進化した。外観デザインは7シリーズに通じるものとなり、ボディサイズは全長4.7メートル超、全幅は1.75メートルまで拡大された。

伝統の直6エンジンはマイナーチェンジと共にDOHC・4バルブ化され、また新たにV8エンジンやフルタイム4WDが設定された。ステーションワゴンの「5シリーズ ツーリング」(1991年)が始まったのも、この3代目からだ。

そしてM5はE34型ベースの2代目に進化した。M社製の直6・4バルブユニットは従来の3453cc(286ps)から3535cc(315ps)にパワーアップし、1993年には3795cc(340ps)に向上。市販車用の自然吸気・直6エンジンとしては、究極とも言える性能を誇った。

BMWらしさにこだわった4代目5シリーズ(E39型)

1996年に登場した4代目5シリーズ(E39型)には、5シリーズの伝統から一歩踏み出した個性的なデザインが採用された。ボディサイズをさらに拡大することで、居住性や衝突安全性は向上。丸目ヘッドライトの周囲が発光するライト・リングも、このモデルの途中から採用された。一方で、E39型ベースの3代目M5では、400psを誇る新開発の5リットルV8が採用され、一層の高性能化が図られた。

当時は、企業合併によるシナジー効果を求める動きが世界的に高まっていたが、それゆえに独自の技術力で妥協なきクルマづくりを成し遂げようとするBMWの姿勢が際立った時代でもあった。

◆ デザインも技術も革新的だった5代目5シリーズ(E60/61型)

2003年、革新的な5代目5シリーズ(E60型、ツーリングはE61型)が登場する。その斬新なスタイリングは、それまで保守的なものが主流だったこのクラスに大きな衝撃を与えた。

また、そこに投じられた技術も極めて先進的だった。ボディ前半をアルミ合金製としたハイブリッド・ボディ、エンジン技術に革命をもたらしたバルブトロニック、電子制御でステアリングギア比を可変するアクティブ・ステアリング、そしてiDriveなど、様々な新技術が採用された。

主力となる直6は、マイナーチェンジでクランクケースにアルミとマグネシウムを併用した新開発ユニットに進化。一方で上位グレードには、4リットルや4.8リットルのV8が用意され、M5には507psを発揮する5リットルV10が搭載された。

環境性能と走りを高次元で両立した6代目5シリーズ(F07/F10/F11型)

2009年にまず5ドアの要素を取り入れた新コンセプトの「5シリーズ グランツーリスモ」(F07型)が登場。続いてセダン(F10型)とツーリング(F11型)が登場し、日本では2010年から発売された。

この6代目5シリーズでは、過給器によるエンジンのダウンサイジング化により、環境性能と走行性能がかつてない高いレベルで実現された。3リットル直6ツインパワー・ターボ・エンジンの「535i」や、4.4リットルV8ツイン・パワー・ターボ・エンジンの「550i」に続き、2011年には2リットル直4・ツインパワー・ターボ・エンジンの「523i」「528i」が登場。エンジン・オート・スタート/ストップ機能も採用され、燃費性能は飛躍的に高まっていった

2012年には3リットル直6ツインパワー・ターボ・エンジンに電気モーターを組み合わせた「アクティブハイブリッド5」、そして2リットル直4ツインパワー・ターボ・ディーゼル・エンジンの「523d」が登場。3シリーズと共に、ガソリン、ディーゼル、ハイブリッドという3つのパワートレインを持つモデルとなり、それぞれが極めて高い完成度を誇っている。そして2013年には、現行型の登場から4年を経てマイナーチェンジが行われたが、その内容は多岐に渡るため、別稿で触れたい。

このように、5シリーズの歴史とは絶え間ない進化の歴史だったが、それらは常に「駆けぬける歓び」を追求する中で生まれたものだった。いかなる時代でも、技術力をもって理想とするクルマを実現する。現代において極めて稀有な、そんな職人的な精神は、最新の5シリーズにもしっかりと根付いている。

《丹羽圭@DAYS》

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