2014年度FIAワールドラリーチャンピオンシップ(WRC)の開幕戦、ラリーモンテカルロが1月15日スタートを切る。
モンテカルロの全てのステージはアスファルト路面であるとは言え、1kmごとに移り変わるコンディションには名のあるドライバーでさえミスを犯してしまう。
モンテカルロはWRCのカレンダーの中で唯一、スパイクの付いたウィンタータイヤ、スパイクの無いウィンタータイヤ、ソフトまたはスーパーソフトのスリックタイヤの4種類のタイヤの選択権を与えるラリーである。
チームのタイヤの選択は天気予報や各ステージに配したクルーがスタートの数時間前にチームにもたらした情報などに左右されるが、連続したステージに挑む為の戦略は一つであるとは限らない。例えば最初のステージはドライだが、次のステージが半解けの雪や氷に覆われている場合、リスクの無い作戦はスパイクタイヤを選択して、最初のステージを走り切り、次のステージでも安全な走りを確保できる。しかしこれに対する別の作戦はドライステージ用のレーシングタイヤを選択し、その間に気温が上がることで次のステージの状態が変化することを期待するものである。
モンテカルロの寒冷な気候は、タイヤだけでなくメカニカルな問題を引き起こすこともある。2000年にはプジョーの全ての3台の車が夜間に凍結してしまった為、朝になってスタートすることができなかったという事件も起こった。
それに加え、片側に断崖絶壁を持つ狭いアルペンの道は、ドライバーにとって勇気が試される。その他にも勘や幸運、いつプッシュすべきか引くべきかを判断する決断力などが最終結果に大きな影響を与える。