秩父鉄道は1月20日、本年度中に全車引退となる1000系電車のうち、1010号編成が2月23日で引退することになったと発表した。これに伴い同社は記念イベントの実施や記念切符の発売などを行う。
1000系は旧国鉄の通勤形電車として製造された101系の中古車両で、1986年から1989年にかけて3両編成12本が導入された。JRでは101系の運転を既に終了しており、秩父鉄道の1000系も3両編成が2本(1003・1010号編成)残るだけとなっている。車体塗装は1010号編成が秩父鉄道のオリジナルデザインで、1003号編成は旧国鉄色のオレンジバーミリオンを再現している。
1010号編成の最終日前日となる2月22日には、「さよなら1010F貸し切り&撮影会ツアー」が行われる。行程は熊谷駅8時50分集合、熊谷9時24分発~秩父10時33分着の貸切列車で移動して同駅構内で撮影会を実施。12時25分発の貸切列車で大麻生駅に向かい、ここから広瀬川原車両基地に移動して撮影会を再度行う。最後はひろせ野鳥の森駅を15時03分に発車する貸切列車に乗って15時10分、熊谷駅に戻る。貸切列車は1003号編成と1010号編成をつないだ6両編成で運転する。旅行代金は大人3900円・子供3000円で、248人を募集。予約は1月22日10時から、秩父鉄道ウェブサイトなどで受け付ける。
最終日の2月23日は、1003+1010号の6両編成による引退記念臨時列車を運行する。運行時刻は下りが熊谷9時24分発~三峰口11時19分着、上りが三峰口13時38分発~熊谷15時10分着。途中駅は寄居・長瀞・秩父各駅のみ停車する。こちらは普通乗車券だけで乗車可能。ヘッドマークを掲出するほか、乗客には特別乗車記念証をプレゼントする。
このほか、2月1日から3月31日まで「1000系電車メモリアル記念乗車券」(1920円)を発売。また、土曜・休日などに限り秩父鉄道全線が1日乗り降り自由の「秩父路遊々フリーきっぷ」も、大人用(1400円)のみ券面を1000系電車でデザインしたものが発売される。
なお、2月1~16日の土曜・休日に限り、1010号編成が運用列車を固定して運転される。時刻は熊谷10時11分発の羽生行き、羽生10時44分発の三峰口行き、三峰口12時54分発の羽生行き、羽生15時01分発の熊谷行き。3月1~16日の土曜・休日も1003号編成が同じ時刻の列車で運用される。
1010号編成が引退すると、1000系は1003号編成の1本だけとなる。同編成も3月中の引退が予定されている。