【ホンダ ヴェゼル 試乗】1年ごしの期待が現実に…飯田裕子

試乗記 国産車
ホンダ ヴェゼル
ホンダ ヴェゼル 全 8 枚 拡大写真

1年前、デトロイトショーの会場で『Urban SUV Concept』というコンセプトカー名で発表されたときからコンパクトなボディサイズとセンタータンクレイアウトを採用するということで、このモデルのコンパクトSUVとしてのユーティリティには安心感のある期待があった。

さらにショー会場でも評判のよかったデザインがどれだけ市販モデルでそれが活かされるのか注目していた。日本の道路に合ったサイズとデザイン性、実用性を与えられていれば、日本の幅広い世代の人たちに注目されるだろう、そういうムードがコンセプトの段階から伝わるモデルだったのだ。

市販化された『ヴェゼル』は、コンセプトとさほど変わらぬスタイルで登場。日本で扱いやすいサイズとパッケージング、デザインはほぼ期待通りと言えそうだ。

柔らかな面構成の中にリヤフェンダーに向かい斜めに上がるシャープなキャラクターラインはエモーショナルさを抱かせてくれる。質感と大人っぽさが街中にも映えるデザインとシェイプがいい。仮に日常生活の中にあっても生活臭が薄く、ドアを開けて乗り込めば気分も変わるモデルとなるに違いない。

インテリアのデザインや質感もエクステリアに負けてない。特に多くのクルマたちのインテリア素材にトレンドにのっとったピアノブラック色を採用するが、ムリのあるモデルがないわけではない。しかしヴェゼルのソレはお洋服にミスマッチなアクセサリーを身に着けた女性のような違和感に映らない、コーディネイトされた感に好感が持てる。一方でジャズブラウンを採用する内装がハイブリッドモデルでしか選べないのに不満を抱く。もったいないのではないか…と。

パッケージングは後席の足元の広さとラゲッジのアレンジを含む広さや実用性は期待通り。リヤシートのアレンジはシンプルだが操作しやすく効率よくスペースを広げることができる。ハイブリッド車であってもバッテリー搭載が大きくスペースを損ねるものでないのもいい。

ハイブリッドの動力性能は申し分ない。1.5リットル直噴エンジンと高出力モーターとの組み合わせは、「このクルマの走りは非力だから…基本は街乗り中心」などと移動距離を自ら決める必要などないだろう。1.5L直噴ガソリンエンジンモデルはハイブリッドに比べて足元が軽く身のこなしの軽快さが印象的だ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★

飯田裕子|自動車ジャーナリスト協会会員
現在の仕事を本格的に始めるきっかけは、OL時代に弟(レーサー:飯田章)と一緒に始めたレース。その後、女性にもわかりやすいCar & Lifeの紹介ができるジャーナリストを目指す。独自の視点は『人とクルマと生活』。ドライビングインストラクターとしての経験も10年以上。現在は雑誌、ラジオ、TV、シンポジウムのパネリストやトークショーなど、活動の場は多岐にわたる。

《飯田裕子》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  2. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  3. 【マツダ CX-60 XD SP 新型試乗】やっぱり素のディーゼルが一番…中村孝仁
  4. セリカに次ぐ「リフトバック」採用のカローラは、50年経ってもスタイリッシュ【懐かしのカーカタログ】
  5. シートに座ると自動で送風開始、取り付け簡単「クールカーシート」2モデルが発売
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る