火星ローバー オポチュニティの前に突如現れた岩の写真…カラー版をNASAが公開

宇宙 科学
左側「Sol 3528」は昨年12月26日の画像、右側「Sol3540」は今年1月8日の画像。
左側「Sol 3528」は昨年12月26日の画像、右側「Sol3540」は今年1月8日の画像。 全 2 枚 拡大写真

NASAの火星探査機『Mars Exploration Rover:Opportunity(MER オポチュニティ)』が2014年1月8日に取得した火星のエンデバー・クレーターの画像の中に、2週間ほど前にはなかった岩の塊が見られて話題になっている。NASAサイトではカラー化した画像が公開された。

火星ローバー・オポチュニティは2004年1月25日に火星に着陸し、今年で活動10周年を迎えた。NASA ジェット推進研究所の10周年記念イベントの中で、オポチュニティの「Pancam(パノラマカメラ)」が撮影した画像の中に、2013年12月26日の画像には写っていなかった岩が表れ、研究者を驚かせたというエピソードが紹介された。

クリーム入りドーナッツほどの大きさで「Pinnacle Island(尖った頂をもつ島)」と名付けられた岩が表れた理由は二つ考えられる。ひとつは、2週間ほどの間に新しい隕石が落下した可能性。ふたつめは、オポチュニティ自身が近辺にあった岩を弾き飛ばし、カメラの視野に入ったというものだ。天体の衝突に伴う痕跡が周囲に見られないことから、隕石の可能性は低く、もともとあった岩である可能性が高いという。

岩は周辺の地表に比べてコントラストが高い。カラー画像では白く、内側の一部が濃い赤であることがわかる。もともとあった岩の上下が逆さになり、長いあいだ日光にさらされて風化していない側が見えるようになった可能性があり、研究者を喜ばせている。岩の組成については発表されていないが、オポチュニティは2011年から、火星の水の痕跡が残るエンデバー・クレーターで探査を続けており、石膏と見られる白い鉱物を発見したこともある。石膏は水が豊富に存在した時代にできたものと考えられる。

オポチュニティの10年にわたる活動の成果について、1月23日にNASAはメディアブリーフィングを行う。会見の模様はNASA TVで生中継される予定で、日本時間では1月24日午前4時からの配信となる。

《秋山 文野》

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