ATK、大電力太陽電池推進システム実証試験に成功

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ATK、大電力太陽電池推進システム実証試験に成功
ATK、大電力太陽電池推進システム実証試験に成功 全 1 枚 拡大写真

2014年1月21日、ATKは現在の人工衛星・探査機で使われているものより10倍高出力の太陽電池『MegaFlex(メガフレックス)』の円形太陽電池パネル展開試験に成功したと発表した。

メガフレックスは、太陽電池を直径9.6メートルの円形の羽根状に展開し、40キロワットの電力を供給できる大型太陽電池パネル。打ち上げ時にコンパクトに折りたたむことができ、軽量で高い電力供給が可能になるという。NASAが2025年に計画している小惑星有人サンプルリターンミッションの宇宙船で使用する電気推進システムに電力を供給することを想定している。パネルの展開試験は昨年12月9日にATKの施設で成功し、さらに真空試験を行うため、NASAのグレン研究センターへ引き渡された。

ATKでは、2012年からNASAと640万ドルの契約のもと、メガフレックスの開発を進めている。フェーズ1では打ち上げ時に羽根をたたみ、傘のように骨組で支えた形で円形に展開する技術の確立を目指す。将来は電力供給能力を片羽根200キロワット、左右で400キロワットまで拡張することを目指しているという。

メガフレックスは、2008年に火星に着陸したフェニックス探査機のためにATKが開発した「UltraFlex(ウルトラフレックス)」太陽電池をベースにしている。ウルトラフレックスは、オービタル・サイエンシズが国際宇宙ステーションへの貨物輸送を行うシグナス補給船にも採用されており、NASAが2016年に打ち上げを予定している火星の土壌探査ミッション、「InSight(インサイト)」にも採用される予定だ。

《秋山 文野》

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