日野とデンソー、ハイブリッドユニット活用の電動式冷凍システムを共同開発

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プロフィア電動冷凍車
プロフィア電動冷凍車 全 1 枚 拡大写真

日野自動車とデンソーは、ハイブリッドユニットを活用した電動式冷凍システムを大型トラック用として世界で初めて開発した。日野の大型トラック「プロフィア」に搭載して2月1日から発売する。

電動式冷凍システムを搭載した「プロフィア電動冷凍車」は、日野のハイブリッドシステム技術と、デンソーの車載用電動式冷凍システム技術を組み合わせることで実現した。経済性、冷凍性能、品質と静粛性が高く、車両トータルとしての顧客のメリットを実現したとしている。

ハイブリッドトラックは通常、ハイブリッドシステムのエネルギーを車両の走行アシストに利用して燃費を向上させる。今回発売する大型トラックでは、ハイブリッドシステムのエネルギーを走行には使わず電動式冷凍システムの駆動のみに活用することで、燃料消費量を低減する。

冷凍車は通常、冷凍機専用に追加搭載したサブエンジンや、車両走行用メインエンジンからコンプレッサーを駆動する。今回開発した電動式冷凍システムは、ハイブリッドシステムを応用、走行時に効果的に発電・回生したエネルギーを冷凍機用電動コンプレッサーの駆動のみに使用することで、冷凍機用コンプレッサーを駆動するためにエンジンを稼動させていた分の燃料消費量を大幅に低減する。

電動式冷凍システムは、ハイブリッドシステムからの電力により電動コンプレッサーを駆動するため、サブエンジン方式に比べ、騒音も低減できるほか、冷凍機専用のエンジンが不要なため、トラック重量を約150キログラム軽量化できる。

メインエンジン方式と比べた場合でも、車両の走行・停止状態に関係なく、ハイブリッドシステムからの安定した電力供給により適正な回転数でコンプレッサーを駆動できるため、より安定した冷凍冷蔵性能・品質を保つことが可能。

メインエンジン方式では構成部品をエンジンルームや車両の床下などに分散して搭載するが、今回開発したシステムは、電動コンプレッサーやコンデンサーなどの構成部品を集約してユニット化している。このため、配管や配線が少ないシンプルな構造で、メンテナンス性も高い。

システムはスタンバイ装置を標準装備しており、外部の200V電源と接続することで、長時間のエンジン停止時、外部電力を使用することで冷凍室内の温度を維持することが可能だ。スタンバイ装置のタイマー機能を利用することにより、荷積み前に冷凍室を適温に冷却しておく予冷運転をドライバーの操作なしに行うこともできるようになる。

プロフィア電動冷凍車は、冷凍システムの燃料消費量低減とともに、2015年度燃費基準の基準値を5%上回る低燃費性能を達成している。

日野とデンソーは、「日野デュトロ・ハイブリッド」で実績のある軽量コンパクトなハイブリッドユニットを、電動式冷凍システムの電源として利用することで、環境性能の向上に加え、積載量への影響を最小限に抑えながら経済性を確保し、トラック運送事業者の車両運行におけるメリットを実現したとしている。

《レスポンス編集部》

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