元F1のカーティケヤンも参戦…トヨタのスーパーフォーミュラ2014年布陣

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トヨタエンジンでスーパーフォーミュラを戦うドライバー。左からロシター、平川、中山、オリベイラ、カーティケヤン。
トヨタエンジンでスーパーフォーミュラを戦うドライバー。左からロシター、平川、中山、オリベイラ、カーティケヤン。 全 8 枚 拡大写真

トヨタ(TOYOTA Racing)は30日、今季の全日本選手権スーパーフォーミュラを戦う自軍陣容を発表。元F1ドライバーのナレイン・カーティケヤンを加えるなどした、7チーム11台で2014年シーズンに臨む。

昨年、スーパーフォーミュラというシリーズ名称で新たなスタートを切った全日本トップフォーミュラだが、本当の意味でのリスタートは今年。ダラーラ製の新型ワンメイクシャシー「SF14」が導入され、エンジン規格もGT500同様に2リッター直4直噴ガソリンターボとなるからである。トヨタが「RI4A」エンジンを供給するチームのドライバーラインナップは下記の通り。

#3 J.ロシター(KONDO)
#7 平川亮(Team LeMans)
#8 L.デュバル(Team LeMans)
#18 中山雄一(KCMG)
#19 J-P.デ・オリベイラ(IMPUL)
#20 N.カーティケヤン(IMPUL)
#36 A.ロッテラー(TOM’S)
#37 中嶋一貴(TOM’S)
#38 石浦宏明(CERUMO・INGING)
#39 国本雄資(CERUMO・INGING)
#62 嵯峨宏紀(TOCHIGI Le Beausset)
※カッコ内はチーム名。タイヤは全車ブリヂストン。

11人中7人については前年と同所属であり、WECやSUPER GT同様、今季のトヨタ/レクサスにはトップドライバー人事における継続性重視の方向性が感じられる。マシンが大きく変わる年だけに、他の要素はあまり動かさずに、という意思が働いているのだろう。“異動”は都合4人で、昨年の全日本F3王者である中山が昇格し、石浦とカーティケヤンは復帰。またロシターは昨年、ロッテラーが日程重複のWECにアウディで参戦する時に、代役としてTOM'Sからスーパーフォーミュラに参戦していたが、今季は近藤真彦監督のチームで初のフル参戦機会を得たことになる。なお、今季はWECとの日程重複はない模様で、ロッテラー、デュバルもフル参戦してくるようだ。

07~08年王者の松田次生は外れたものの、09年王者デュバル(当時はホンダエンジン使用チーム)、10年王者オリベイラ、11年王者ロッテラー、そして12年王者の中嶋一貴と、4人の戴冠経験者を並べた豪華布陣で、昨年ホンダ(山本尚貴)に奪われたタイトルの奪還を図るが、注目したい存在はカーティケヤンである。

インド出身初の本格的国際レーシングドライバーといえる存在で、F1出走経験も50戦近くあるカーティケヤン(37歳)。先程、彼を「復帰」と説明したが、01年にやはりIMPULからスーパーフォーミュラ(の前身フォーミュラ・ニッポン)に参戦した経緯があり、当時は最高位6位2回という成績だった。このカテゴリーで初年度に6位2回というのは十分に好成績といえるが、それにも増して目を見張る働きを演じたのが、昨年暮れの富士テストであった。昨年までの実戦車「SF13」にいきなり乗って、しかも現行レイアウトの富士スピードウェイは初めてだったのに、すぐに“戦えるレベル”のタイムを出したのである。

F1では下位チームに埋没してしたとはいえ、やはりさすが、と多くの関係者が驚いたものだが、中嶋一貴が彼をこう評する。「アンソニー(デビッドソン、トヨタのWECドライバーでF1経験者)ともよく話しているんですが、彼(カーティケヤン)が速い時はホントに速いんですよ。面白い存在だと思います。スピードは間違いなくあると思うので」。波に乗ると恐い存在ということのようで、スーパーフォーミュラの戦いの質をさらに上げ、新たなエッセンスを加えてくれるドライバーのようだ。マシン刷新年であることは既存ドライバーのアドバンテージ縮小に繋がるので、カーティケヤンにとっては追い風だろう。13年ぶりの日本復帰、大いに期待したい。

2014年スーパーフォーミュラは4月13日決勝の鈴鹿サーキット戦で開幕。2~3月には例年より1回多い、計3回の公式合同テスト開催が鈴鹿と富士スピードウェイで予定されている(初回は2月18~19日の富士)。

なお、トヨタの若手ドライバー育成計画「TDP」(トヨタ ヤング ドライバーズ プログラム)に関してだが、平川と中山、そして全日本F3選手権にTOM’Sから参戦する勝田貴元(昨季同選手権2位)と山下健太(昨季FCJ王者)の計4名を育成ドライバーとしてサポートすることが発表されている。

《遠藤俊幸》

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