政府は、国際戦略港湾の港湾運営会社に対して政府が出資できる制度を設けるなど、港湾法の一部を改正する法案を閣議決定した。
コンテナ船の急速な大型化によって、アジアから北米・欧州に直行する基幹航路の絞り込みが進んでおり、日本の企業活動に不可欠な広域インフラである国際戦略港湾でも、基幹航路の減少に歯止めがかからない状況となっている。
基幹航路の減少が続く場合、物流コストの増大により、日本の産業立地競争力が低下することにつながる。このため、国際戦略港湾の競争力を強化することにより、日本への基幹航路の寄港を維持・拡大していくことが必要。
また、大規模地震の発生が懸念される中、日本の産業立地競争力を維持するため、災害時も港湾機能を維持し、サプライチェーンを確保する必要がある。このため、民間事業者が所有する護岸などが災害時に損壊し、航路を塞ぐことにより、船舶の交通に著しい支障を及ぼさないよう、護岸の改良を促進する必要がある。
国際戦略港湾の国際競争力を強化するため、国際戦略港湾の港湾運営会社が行う埠頭群の運営の事業に対し政府出資を可能とする措置を講ずるとともに、非常災害時、船舶の交通を確保するよう、特別特定技術基準対象施設の改良にかかる無利子貸付制度を創設する。
改正港湾法の概要は、国際戦略港湾の港湾運営会社に対して、政府の出資を可能とするとともに、無利子貸付制度の対象施設に、国際戦略港湾の埠頭近傍の流通加工機能を伴う倉庫を追加する。また、航路沿いの民有護岸などの改良に対する無利子貸付制度を創設する。