【ルノー ルーテシアRS 試乗】299万円から手に入る珠玉のスポーツカー…青山尚暉

試乗記 輸入車
ルノールーテシアRS
ルノールーテシアRS 全 12 枚 拡大写真
今、300万円前後で手に入る、日常使い、乗り心地にも満足できる真正スポーツカーこそルノー『ルーテシアRS』だと思う。

スタイリングからして熱い。精悍(せいかん)な顔つき、華やかで存在感あふれる佇(たたず)まい、ボディー下部のなんともセクシーな絞り、リヤドアに隠されたオープナーのカッコ良さ、F1譲りのディティールの妙にそそられる。そしてブラックアウトされた17/18インチホイール、スポークからのぞく深紅のブレーキキャリパーなど、走り好きが一目でほれ込めるアイテムも満載。黒×オレンジのインテリアは走りだす前からアドレナリンを逆流させそうだ。シャシーカップ/スポールという2つのグレード名もまた熱い。

1.6リットルターボエンジンは200ps、24.5kg-m。ミッションは6速EDC(デュアルクラッチトランスミッション)。車重は1280kgだから、速さは保証されたようなもの。

コクピットに乗り込み、レーシーなスポーツシートに身をゆだねれば、気分はもうレーサーだ。

標準のルーテシアから60%以上も硬められたサスをさらにフロント27%、リヤ20%以上硬め、かつ3mmのローダウンが施されたマニア向けのシャシースポールで走りだした瞬間、こいつがただ者ではないことが分かる。出足はローンチコントロールで制御可能で、もちろん血の気がひくほど速い。ノーマル/スポーツ/レースが選択できるRS DRIVEスイッチがノーマルかつESCがONの状態でも前輪を暴れさせるほどの強力なトルクの持ち主だが、高速走行に移れば4輪のタイヤが生き物のように路面に吸いつく直進安定性に感動させられる。しかし、こいつの最大の魅力はコーナリングの速さ、ドライバーを恍惚(こうこつ)へと誘う気持ち良さにある。それは真正スポーツカーの味わいだ。

6速EDCはイージーにしてスムーズ。低速域でたまにギクシャクすることもあるにはあるが、かえってMT感を増幅させる。

しかも本格スポーツカーとしては乗り心地が素晴らしくいいのだから、日常使いもまったく苦にならない。とはいっても大人になりすぎた?感もある『ゴルフGTI』よりは硬めだが、きつい段差を超えてもショックを見事にいなしてくれるから、タイトでありながらすこぶる快適なのである。タイヤサイズがシャシーカップの18インチから17インチになるシャシースポールなら乗り心地はさらに快適になる。

多くのホットハッチと呼ばれるクルマたちがどんどん大人びている今、ルノールーテシアRSは本気度120%のスポーツマシンであり希少な存在。犬を乗せて走るには過激すぎるかもしれないが、高級車を知る女子を黙らせる特別なオーラさえあるのだ。300万円前後で買える、超買い得にしてセンス抜群、デザイン、走りの刺激度満点な1台だと思える。ずっとスポーツカーが欲しかったけれど、家族に反対され続けてきた…そんな人でもこいつなら手に入れられるかもしれない。見た目はちょっと派手なハッチバックなのだから。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★
ペットフレンドリー度:★


青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車雑誌編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に執筆。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がける。現在、ドッグライフプロデューサーとしての活動も広げている。

《青山尚暉》

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