【JNCC 開幕戦】強豪ゲスト、デビッド・カモを破り渡辺学が逆転優勝
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今季の注目は、チャンピオン鈴木健二とそのライバル渡辺学の激突。昨年は鈴木に軍配があがったものの、渡辺はマシンに関してヤマハの『YZ250F』を290ccに排気量アップするなど、十分な準備のもと勝利を狙う。鈴木も、この開幕戦にあわせて体をしっかり作りこんできており、両巨頭ともに気合いは十分だ。
開幕戦はこの2名だけでなく、アメリカのBAJA1000などで優勝経験をもつデビッド・カモが来日参戦。鈴木、渡辺も手にしたことのない成績をいくつも上げている強豪をどう迎えうつかが注目された。
レースは、鈴木のスタートダッシュではじまる。カモ、渡辺ともに出遅れるものの、1周目で鈴木においつき早くも三つどもえに。渡辺が隙をみてトップに立つシーンもあったが、リズムに乗り切れず後退。鈴木は前を引き、カモが2番手、渡辺3番手のオーダーを形成して膠着したまま後半まで続く。残り1時間を切っている中、カモは2度目の給油がやってきて、迫ってきていた渡辺はここでカモの前に。鈴木を追撃態勢に入る。わずかながら差を縮めて鈴木にプレッシャーをかける渡辺。コースは、ほぼ全編にわたってミスする箇所が少ないが、ギャラリーの集まる丸太セクションだけはトップライダーでさえもミスを誘発する難所になっていた。
鈴木は渡辺が10秒以内の距離に近づいてきていたラスト3周目に、この丸太で失敗。渡辺はこの隙に前に出て、一気にスパートをかけて逆転優勝。開幕にふさわしい、大興奮の展開となった。
渡辺は「あきらめずにプッシュしたことが、勝因。カモのペースは速くて、後ろについてラインをよく見させてもらった。勉強になりました」とコメント。鈴木は「情けなかったですね」と短めに語った。カモは「日本のコースはちょっと難しい。3人でバトルしたことはとてもおもしろかった、またぜひ日本のレースに出たい」と話してくれた。
なお、今年からトップカテゴリーのAAクラスが排気量別にAA1/AA2と別れており、AA2は石戸谷蓮が栄えある初代優勝者となった。
次戦は、広島県テージャスランチにて4月13日の開催。09年から続く伝統のあるコースで、テクニカルなセクションが続く。
《稲垣 正倫》