マレーシア航空機不明、日本の援助隊第一陣が出発…捜索初動遅れ、領土問題が背景か

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C-130H輸送機
C-130H輸送機 全 1 枚 拡大写真

マレーシア航空(MAS)のMH370便が8日未明にベトナム南方海上で消息を絶った事件で、十カ国の捜索隊が航空機や船舶による捜索に乗りだしているにも関わらず、6日たった13日午後5時時点でも何一つ手がかりが発見できないという異常事態が続いている。

11日に国際緊急援助隊の派遣を発表した日本政府は、同日夜に那覇空港から「C-130」輸送機が第一陣として出発、13日には海上保安庁から「ガルフストリームV」捜索機が出発したことを明らかにした。

マレーシア空軍は、同機が消息を絶った8日午前2時15分ごろ、正体不明の物体が半島を西に横切り、アンダマン海のペナン島北西200キロメートルの地点までレーダーで補足していたことを明らかにした。同機との関連はまだ分かっていない。

一方、中国の人工衛星が捉えたというベトナム南方海域の大型の漂流物については、マレーシアとベトナム機の捜索では確認できなかった。むしろ軍事機密に属する鮮明な衛星写真を中国が発表したことについて驚きの声が上がっている。

また「ウォールストリートジャーナル」は、大掛かりな捜索にも関わらず手がかりが一切発見できないことに関連し、同機が消息を絶ってから4時間あまりにわたって飛行を続けた可能性があると米国の専門家が指摘していることを紹介。レーダーで発見されないようにトランスポンダー(応答装置)を故意に切って、想定外の場所に向かって飛行を続けた可能性を示唆した。

マレーシア当局の初動が鈍く、その後も公開情報の混乱が起きたことについて、「ロイター」は領土問題を抱える南シナ海に近いことから、一般や隣国に対する公開情報を制限する必要があったとのマレーシア側の立場に理解を示す専門家の見方を紹介した。

マレーシア警察は、ハイジャックや内部の破壊工作の可能性を念頭に同機の乗務員に対する調査に着手している。また搭乗していたウイグル人乗客に関しても中国当局の協力を得て背後関係を調べている。

伊藤 祐介

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