さいたま市、子育てママを対象に超小型EV試乗会を実施…女性ならではの意見多数

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ホンダMC-β試乗会
ホンダMC-β試乗会 全 18 枚 拡大写真

埼玉県さいたま市は3月14日に、ホンダ『MC-β』(エムシー・ベータ)を使用した「子育て世代の市民」による超小型モビリティの体験試乗会およびワークショップを開催した。

同市内の住宅展示場「大宮北ハウジングステージ」を拠点とした、その周辺の公道が試乗コース。事前登録された20代後半~40代代前半の「子育て中のママ」20人弱がモニターとして集まり、MC-β を試乗した後に感想を述べたり改善箇所を指摘したりするグループディスカッションが行われている。

このイベントの目的は「超小型モビリティの周知、ならびに課題や今後の活用方法についての意見収集」というものだが、対象が主婦ということもあってディスカッションは終始和やかなムードで進行。

モニターとなった主婦は日常における移動のほとんどにマイカーを使う人から、運転免許は持っているものの自転車と公共交通機関を中心とする人までさまざま。まず日常における「なにを使って」「なんのために」「どこへ」といった移動行為の抽出や、試乗後の感想などを1つずつ付箋に書く形で意見を出してもらったところ、それを貼付する模造紙がいっぱいになるほど多数の意見が出された。

その意見の幅広さや指摘の鋭さに、さいたま市の職員もホンダの技術者も驚きを隠せなかった様子。MC-β に関しては、運転しやすさを評価する声が多かったが「トランクもカゴもないから買い物には使いづらい。荷物をしっかり置けるようにしたい」「チャイルドシートが装着できない、ベビーカーが載せられないというのは不満」といった、主婦ならではの厳しい意見もみられた。

また自転車を使う人からは「子供を2人乗せたときは陸橋を越えるのが大変で線路の向こう側へ行くことが難しく、行き先が限られてしまう。超小型車は楽だけれど2人乗りなのが残念」「週末は渋滞が酷いから自転車を使うけれど、そのときは大きな物を買うことができない。超小型車でもけっきょく渋滞に巻き込まれるのでは意味がない」といった切実な声も。

しかし一方で「シェアリングで乗れるならぜひ使いたい」「駐車料金などでメリットがあれば積極的に使う気になれる」「バイク以上、クルマ未満の存在と考えればこれで充分」といった肯定的な意見も多く聞かれ、「移動手段の使い分け」をすることで既存乗用車への依存度の減少、自転車を主に使う人の行動範囲拡大といった可能性を予感させた。

「地域や場所、場面ごとにクルマのニーズは異なるが、それを1台でまかなおうとするのが既存の乗用車。そうした軽自動車と同じ感覚、同じルールで超小型車を作ってはいけない。1台ですべてを満足させる方向とは違う価値観が必要です」と説明するのは、MC-βを開発した本田技術研究所スマートモビリティ研究室第2ブロックの一瀬智史主任研究員。

超小型車普及のためのポイントは、既存交通インフラの改革や公共交通機関との連携、そしてユーザー側の意識変革といった車両を取り巻く環境の進化にあるのかもしれない。

《古庄 速人》

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