独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は17日、マレーシア政府の共同事業としてネグリ・センビラン州に建設した石炭代替燃料利用施設の竣工式を行った。
施設はバハウのUEMグループ子会社のセメント・インダストリーズ・オブ・マレーシア(CIMA)のセメント工場内に建設された。太平洋エンジニアリング(TEC)が開発した廃タイヤ、バイオマス投入システムと塩素バイパスシステム、TCSシステムにより構成されている。現在燃料として使用されている石炭の一部をバイオマス及び産業廃棄物に代替し、排ガス中の塩素や硫黄などの揮発性成分を含むダストを分離化、また凝縮固化することにより、製造施設内へのダスト付着による運転効率の低下を防止する。石炭使用量の25%と温室効果ガスの削減を実証した。モデル事業では、同セメント工場で使用される石炭の25%低減が実証された。
今回導入された技術の普及により、エネルギー多消費型産業であるセメント業界における石炭使用量の低減、マレーシアにおける石炭輸入量の低減、日本企業による設備等の輸出機会の創出などの効果が期待されている。
連邦政府は2020年国家バイオマス戦略を通じて付加価値の高い経済活動を創出することを目指している。