【GARMIN Edge810J インプレ前編】従来機の弱点を解消、スマホ連携で“つながる”楽しみも

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GARMIN Edge810J
GARMIN Edge810J 全 24 枚 拡大写真

サイコン(サイクルコンピューター)の最高峰といえば、ガーミンのエッジシリーズ。そのフラッグシップである800番台のモデルは従来からライバルと一線を画す多彩な機能を持っていたが、最新モデル「Edge810J」はさらに進化してBluetoothを搭載。スマホとの連携によって新しい可能性が広がった。

【画像全24枚】

◆スマホの普及に対応したアップデートで最高峰モデルとしての優位性を維持

ガーミンのEdgeシリーズといえば、サイコンのトップブランドとして知られている。その最上級モデルである800番台は、すべてのサイコンの中で最強のモデルといって過言ではないだろう。今回紹介する「Edge810J」はすでに完成の域にあった先代モデルの「Edge800J」にBluetoothを追加したモデルだ。これによってスマホとの連携が可能になり、通信環境を駆使した様々な機能を使えるようになった。

また、収録地図が変更され、見やすさで定評のある昭文社の「マップルデジタルデータ2013年度版」となった。本機の特徴であるカーナビに匹敵するガイド機能がより使いやすくなっただけでなく、この地図には全国の700軒に及ぶ主要なサイクルショップがあらかじめ登録されている。

この2点の変更以外は、ほぼ先代モデルを踏襲していると考えていい。無用な目先の変更は行わず、最低限のアップデートにとどめているのだ。今回は変更されていない基本的なプロフィールも含めて、改めて紹介しよう。

◆多機能、高性能だがこの上なく使いやすい大画面とタッチスクリーンの威力

本機のサイズは高さ93mm × 幅51mm × 厚み25mm、重さは98gとなっている。サイコンとしてはかなり大きく重いといえるが、100gの大台はなんとか超えずに死守しているし、機能から考えればこの重さも仕方がないといえるだろう。

その機能はもはやサイコンを超えたレベルとだ。本機はGPSはもちろんのこと、温度計や気圧高度計も搭載。ディスプレイは36mm × 55mmと大型で、しかもカラーのタッチパネルとなっている。内臓のリチウムイオンバッテリーは連続17時間もの稼働時間を確保しており、もちろん本体は防水仕様(IPX7)。さらに、本体内にカーナビと同レベルの地図データを収納しており、目的地を設定してのルートガイドができる。この地図をオプションの日本登山地図に変更すれば、等高線でアップダウンを確認しながらのライディングも可能だ。

センサーは、ケイデンス/スピードセンサーとハートレートセンサーが付属している。後ほど紹介するパワーメーターも接続可能だ。こうしたセンサーとの接続はガーミンが策定したワイヤレス接続規格「ANT+」が採用されているが、この「ANT+」は今や業界標準となっている。他社のセンサーでもANT+対応製品であれば、本機に接続することが可能だ。

機能としては、ライディング時の経過時間、走行距離、速度、ケイデンス、走行ルート、標高、心拍数など、あらゆるデータをリアルタイムに表示し、記録できる。記録したデータはガーミンが運営するクラウドサービス「ガーミンコネクト」にアップロードして保存することができ、過去のトレーニングやツーリングの記録を地図やグラフで振り返ることができる。

自転車が停止すると記録をストップしたり、同じ場所を通るとラップを刻む、心拍やケイデンスが設定した範囲から外れるとアラームを鳴らすなどなど、便利な機能をこれでもかというほど満載しているが、今回のモデルチェンジではさらにBluetoothと、それによるスマホとの連携機能が追加された。

このようにフルスペックな本機だが、多機能さでは同時に登場した「Edge510J」も負けてはいない。その違いが気になる人も多いだろう。結論から先に言えば、両モデルの違いはそれほど多くない。それぞれの先代モデルである「Edge800J」と「Edge500J」は明確にクラスの違うモデルであり対象とするユーザーも違っていたが、最新モデル同士の比較ではそうではなくなったのだ。

「Edge510J」は先代モデルに対して生まれ変わったと言っていいほどあらゆる面が大幅に進化した衝撃的なモデルだ。それに対して「Edge810J」はBluetoothと収録地図が変更された以外はほぼ従来のまま。結果的に、下位モデルに追いつかれた形となっている。カーナビのようなガイド機能というアドバンテージは今も健在だが、一方でバッテリーの持続時間は「Edge510J」のほうが長いなど、スペックが逆転している部分もあるのだ。

これから購入を考えるなら、「Edge810J」が上位モデルで「Edge510J」が下位モデルといったイメージで捉えるのはやめた方がいい。むしろそれぞれに特徴を持った横並びのモデルとして、ガイド機能が必要なら「Edge810J」、少しでも軽量でバッテリーが長持ちする方がいいなら「Edge510J」というように用途に応じて考えるべきだろう。

◆アウトフロントマウントで理想の位置に取付け、タッチモニターやGPSが改良された

実際に使ってみながら使用感を紹介しよう。まず取り付けだが、付属のアウトフロントマウントを使えばステアリングステムの前方という理想的な位置に本体を固定できる。取り付けは1分もあれば可能で、このマウントは非常に良く出来ているといえる。一方、ケイデンス/スピードセンサーは簡単とまではいえないが、それでも10分程度で取り付けられるだろう。

続いて本体の設定をするが、ここであることに気がついた。タッチパネルが従来より押しやすくなっているように感じるのだ。Edgeシリーズのタッチパネルはスマホで採用されている静電容量式とは異なる感圧式。グローブをはめたままでも操作できるようにとの配慮だが、触れるだけでなく押さないと反応してくれないので、軽快感には欠ける。

ところが、本機のタッチパネルはスマホ並みとはいかないまでも、かなり軽く操作できるようになっているのだ。タッチしても反応してくれなくてイライラすることはほとんどなくなった。感圧式なのでマルチタッチはできないが、意識的にグイグイと押す必要もない。かなりスマホに近い感覚で違和感なく操作できるようになった。

厳密な比較をしたわけではないが、GPSの捕捉までの時間や感度も向上している印象を受けた。先代モデルとの比較だと明らかな違いというほどではないかもしれないが、サイコンにGPSが搭載された初期のモデルとの比較なら、その違いは歴然だ。筆者は自転車を屋内のガレージに置いているが、以前は自転車を外に出してからサイコンの電源を入れ、衛星の補足を確認してから走り始めるようにしていた。しかし、本機ではガレージ内で電源を入れてGPSのことなど気にせずにそのまま走りだせるようになった。それでもGPSをロストしたことは一度もない。GPS付きのサイコンはスタート前の待ち時間が嫌だという人は多いらしいが、そんな人にこそ本機を試してほしいと思う。

走りだしてからの使用感はいつものEdgeシリーズそのものだ。タッチ操作は走行中でも快適で、アウトフロントマウントによって操作時の視線の移動が最小限で済むので、安全性にも優れている。心拍数やケイデンスの数値が設定範囲を超えると警告してくれたり、バーチャルパートナーで走行ペースを教えてくれるのは、一人で黙々と走るサイクリストには本当に効果が大きく、もはやこれなしでは走れないとさえ思える。

◆走り終わったら瞬時にデータをアップロード、すぐにパソコンで走りを分析できる

スマホとの連携機能を使うには、スマホに無料アプリの「GARMIN Connect Mobile(ガーミンコネクト モバイル)」をインストールし、起動すると表示される説明にしたがって本機と接続する。一度設定しておけば以降は特別な操作は必要なく、Bluetoothの通信圏内にスマホがあるときに本機の電源を入れれば、自動的に接続が行われる。この時スマホでアプリを起動させておく必要はなく、またスリープ状態のままでも構わない。なぜか接続できないといったありがちなトラブルも、使用した範囲では一度もなくて非常に快適だった。

スマホと接続した状態で走行し、走り終わった時に本機に表示される「保存」ボタンをタップすると、ほぼ瞬時に走行データがGARMIN Connectにアップロードされる。これはほんとうに便利で、走り終わったら何も考えずに休憩できる。その後パソコンを見れば、すぐに自分の走りをグラフや地図で振り返ることができる。

スマホ連携によって追加されたその他の機能としては、気象データとして現在の気温や風向き、風速を表示したり、1時間毎の天気予報を表示できる。1時間後の天気を表示するというのは的を射た機能だが、残念なのはこの機能についての説明がほとんど無いことだ。本機の説明書にはたった2行の説明があるだけで、しかもそこには「天気情報はカナダのレーダーから送られるデータです」とある。これでは天気予報がどの程度信用できるものかと考えてしまう。

もうひとつの機能がライブトラック機能で、自分が走っている場所をリアルタイムで地図上に表示し、メールなどで招待した人に見せることができる。同様のことができるスマホのアプリは以前からあるが、いざ使ってみようと思うと何かと面倒なことが多い。しかし、GARMIN Connect Mobileは操作が簡単で非常に使いやすい。本来はチームで練習する場合などに使うものだと思われるが、家族や友だちに見せるだけでも喜ばれるだろう。

《山田正昭》

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