MH370便、インド洋南方で大型物体発見…米軍は「残骸」説に否定的

エマージング・マーケット 東南アジア
マレーシア航空
マレーシア航空 全 1 枚 拡大写真

マレーシア航空(MAS)のMH370便が8日未明にベトナム南方海上で消息を絶った事件で、多国籍からなる捜索チームはインド洋南部の捜索に力を入れている。

豪州は20日、同国のレーダーに映った同機の残骸の可能性がある2つの大型浮遊物体の写真を公開した。

豪州のトニー・アボット首相は、MH370便の捜索を行っていた同国の人工衛星がインド洋南方で2つの物体をキャッチしたと発表した。場所は西オーストラリア州パースの南西約2500キロメートルの海域で、通報を受けた豪州海事安全局(AMSA)はただちに捜索機4機と船舶2隻を現場に派遣、長さ24メートルの巨大な物体とそれよりやや小さい物体を確認した。ただし午後5時時点でMH370便のものかどうかは特定できていない。

その後、米海軍第七艦隊のスポークスマンは、問題の物体がMH370便とは関連がないとの見方を示した。ABCによると、同海域には豪州とニュージーランドの捜索機や船舶が向かっており、米海軍もP-8ポセイドン哨戒機1機を派遣した。しかしNBCによると、哨戒機は問題の浮遊物体を発見できずに帰投したという。

新たな情報が少ない中、乗客の家族には不満の声が強まっており、19日にはヒシャムディン・フセイン運輸相代行による定例会見が行われているホテルに乗客の家族と称する中国人女性らが乱入し、「真相を隠す政府に抗議する」などと書かれた垂れ幕を掲げて不満を訴えながら慟哭。その様子を撮影しようとする国内外のメディアが加わって一時大混乱になった。女性らはメディアを利用して、マレーシア政府に圧力をかけることを狙ったとみられる。

マレーシア側にも情報の錯綜や公開の遅れといった問題が重なっているが、中国政府やメディアがこれを執拗に批判していることにマレーシアのネチズンの間から反発の声も上がっている。マレーシア側が情報公開に慎重であるのは、南沙諸島といった領土問題を含めた国家安全保障が絡むためとみられる。

伊藤 祐介

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. 日産、小型ミニバン『グラバイト』予告…2026年インド発売へ
  2. 驚くほど広がる後方視界、ホンダ「Nシリーズ」専用「リアビューミラー&カバー」が発売
  3. 注目の125ccスクーター2台をガチンコ比較!「静粛」のアクシスZか?「快活」のアドレス125か?
  4. 三菱『デリカD:5』新型発売、価格は451万円から…SUVとミニバンが融合「三菱らしさ」武器に
  5. 三菱『デリカD:5』18年目の大幅改良で「原点回帰」、期待されるフルモデルチェンジは? 開発責任者「デリカを終わらせてはいけない」
  6. 日産、NISMO特別モデルと フェアレディZ 改良新型を発表へ…東京オートサロン2026
  7. パナソニック ホールディングス・人事情報 2025年11月1日付
  8. トヨタ『RAV4』新型、日本精機のスロープ表示ヘッドアップディスプレイ初搭載
  9. ヤマハが新基準原付を2026年3月、日本発売へ…台湾から『ジョグ125』導入
  10. 「水素エンジンバイク」に立ちはだかる障壁と、ヤマハの挑戦…開発者「環境と感動を、どちらも諦めない」
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る