【カワサキ Z1000 試乗】原点回帰のストリートファイター…和歌山利宏

モーターサイクル 新型車
カワサキ Z1000(2014年モデル)
カワサキ Z1000(2014年モデル) 全 45 枚 拡大写真

『Z1000』は、まことカワサキらしいネイキッドモデルであり、そのキャラクターをストリートファイターと表現してもいいだろう。

初代Z1000が登場したのは、2003年。『ZX-9R』ベースのエンジンを大径薄肉鋼管のダイヤモンドフレームに搭載し、それは“やんちゃ坊主”のような面白さを備えていた。その後、2007年のモデルチェンジを経て、2010年には排気量を953ccから1043ccに拡大、アルミダイキャストフレームを採用したモデルに刷新されてきた。

ただ、それらは、完成度を高めるも、初代型のようなエキサイティングさはやや抑えられ、多くの人に受け入れられやすいものとなっていた。

そして、この4代目となる2014年型は、基本を先代から受け継いでいる。が、スタイリングはアグレッシブなものになり、走りもそのスタイリングイメージを裏切らないものへと、大きく変貌した。

跨っただけでも、改良のほどは明らかというものである。車体が軽く、一回りコンパクトになった感じで、ライディングポジションは、ハンドルが低くなった一方で、近くに引かれているため、自然体でマシンをコントロールしそうな印象である。シート高の諸元値は815mmで、先代よりも10mm高いが、足着き性は悪くなっておらず、リッターバイクとしては良好である。

そして走り出せば、新型Z1000のキャラは、ますますあからさまになってくる。前輪が自分の真下にあるような感覚で、その前輪はキビキビとしていて、思い通りに舵角をつけて、向きを変えていくことができる。スポーツしようという気にさせられるのだ。しかも、2003年の初代型のハンドリングを髣髴とさせ、原点回帰したことをも思わせる。

エンジンも全域でトルクフルになっており、そのうえ二次減速比がショートに振られ、元気がいい。スロットルで操る感覚も高く、ハンドリングのスポーティさをエンジンのパントがしっかりサポートしている。

となると、スパルタンに思われるかもしれないが、まったくそんなことはない。向きを変えることを楽しめるハンドリングであっても、あくまでもスムーズ。そして、トルク特性にもエンジンレスポンスにも唐突なところがない。パンチがあってもスリリングではないのだ。

その点が、最新型の素晴らしいところである。キーワードである「凄み」を裏切らない個性を感じさせても、優しさをも持ち合わせているのである。

《和歌山 利宏》

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