三井造船は、航海訓練所と、共同発注者の東京センチュリーリースに練習船「大成丸」を玉野事業所で引き渡したと発表した。
船は、1981年に建造された旧大成丸(3代目)の代替船として、2011年度予算で、航海訓練所と東京センチュリーリースとの共有建造方式により、建造することが認められた。
2013年2月14日に起工して、建造工事を開始、同年7月25日に命名・進水式を行った。
4代目となる練習船は、内航船員の育成に適した船体、機器、設備を持ち、航海訓練を通じて優秀な船員を内航海運に送り出すことや、近隣諸国への航海訓練を通して国際親善にも寄与していく。
内航船の運航実態に即した主要航路や港湾における訓練を行うため、船体は極力小型化した。船橋からの視界や操縦の感覚を、内航貨物船と類似させるため、航海訓練所の練習船として初めて船橋を甲板上の中央部に配置した。
低燃費、低公害で、内航船で広く採用されている主機関を搭載した。好天時はタグボートの支援なしで離着岸が可能な舵、プロペラ、バウスラスタを搭載した。
船橋と機関室には、運航に必要な各種機器を搭載しながら、20人程度の実習生グループが効果的に当直訓練を行える機器配置とした。航海訓練所の汽船練習船の中で、最もコンパクトな船体ながら、分割可能な教室、演習室、甲板上のスペースなど、船内各所でグループ実習を行うことができる。防火や救命に関する設備は、旅客船に準ずる仕様とし、安全性の向上を図った。